2020.09.28

Pachinko


Pachinko
(158,920語 YL:8.0)

日本の占領下にあった韓国。Sunjaは妻子ある男の子供を身ごもったが、彼女を救いたいと考えた牧師Isakと結婚し、日本に渡る。大阪での暮らしは厳しく、Isakとも離れ離れになってしまった彼女は、必死で日々を生きていくが…。

戦時中の日本に移住した韓国人家族の苦難の物語です。祖国にも帰れず、日本で外国人として様々な差別や制約と葛藤しながら生きていくしかない人々の姿を描いています。彼女達の人生が、様々な出来事によって翻弄される樣が、釘に当たって跳ねるパチンコ玉にも重なります。小さな出来事が人々の人生に大きな影響を与えることを見せつけられる作品です。

評価:★★★

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2020.09.06

The Bromance Book Club


The Bromance Book Club
(79,605語 YL:8.0)

妻と喧嘩をして家を飛び出したメジャーリーガーのGavin。しかし妻から離婚を突きつけられてショックを受けてしまう。何とか彼女の心を取り戻したい彼は、女心を理解するために、同僚の勧めで男同士の「ロマンス本読書の会」に加わる。ロマンス本の英国貴族は、Gavinの結婚生活を救えるのか…?

メジャーリーガーのような屈強な男達が、女性向き恋愛小説を真剣に読み込むという設定がユーモラスなラブストーリーです。しまいには主人公のGavinが小説の主役の英国貴族と脳内会話を始めたりしてしまいます。本を読んでいくうちに、だんだんGavinの心境に変化が現れるのですが、これを見ると、恋愛小説に限らず本というのは我々の行動や人生に大きな影響を与えるのだなぁ、と考えさせられる作品です。まさに"You are what you read"。

評価:★★★

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2020.08.26

The Secrets Solved: Unraveling the Mysteries of Lemony Snicket’s A Series of Unfortunate Events


The Secrets Solved
(36,750語 YL:7.0)

Olaf伯爵は、どうして執拗にBaudelaire家を狙うのか?砂糖壺の中身は結局何だったのか?LemonyはどうしてBeatriceに振られたのか?3きょうだいは結局財産を手に入れることはできたのか?

著者が伏線を引きっぱなしで全く回収する気の無い"A Series of Unfortunate Events"シリーズの謎に迫る非公式ガイドです。最終巻でも明かされなかった様々な事柄について、物語の断片から推理した説が紹介されます。シリーズを通して読んでモヤモヤが残ったような人は、一読すると多少スッキリすると思います。書籍版とNetflixドラマの両方を通して楽しんでから、答え合わせのような感じで読むのがオススメです。

評価:★★★

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2020.08.21

Keeper of the Lost Cities


Keeper of the Lost Cities
(110,200語 YL:8.0)

卓越した知能や人の心を読む能力を持つ12歳のSophie。彼女は突然、知らない男の子に「君はエルフだね」と告げられる。彼に連れられてエルフの世界の学校に通うことになったSophie。そこで彼女はいろんな失敗もするが、次第に彼女がエルフの中でも特別な存在であることが明らかになってくる。そして、Sophieを狙う魔の手が迫る…。

Keeper of the Lost Citiesシリーズの第1巻です。いわゆる「ファンタジー学校もの」ですが、なかなか学校にたどり着かないハリポタとかと比べると、冒頭の早い段階でエルフの世界に入り込んでいきます。展開が早いのは良いのですが、世界観が分からないうちにストーリーがどんどん進んで行くので、ちょっと戸惑ってしまうところもあります。どうしてもハリポタなんかと比べてしまうと、もうちょっと際立ったオリジナル要素が欲しくなってしまいますね。

評価:★★★

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2020.08.02

The First 20 Hours: How to Learn Anything ... Fast


The First 20 Hours: How to Learn Anything ... Fast
(63,365語 YL:7.0)

新しいスキルを「そこそこ」身につけるためには、20時間の練習で充分と説くHow-to本。もちろん闇雲に実践するだけではダメなので、「20時間での到達ゴールを定める」「スキルを分解して習得する」などの戦略が述べられています。

ヨガやプログラミングなど、実際に著者が挑戦して20時間でどれだけ到達したかという事例も載っています。最初の40ページだけ読んで、後は興味のある分野の事例だけ読んでも楽しめると思います。

何か新しいことを始めるのに一番大きな障壁は「メンタル」ということらしいので、何かやりたいことがあったら、とりあえず20時間限定でもいいので、今日からスパっと始めてみるというのが、一番のコツのようですね。

評価:★★★

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2020.07.24

The School for Good and Evil


The School for Good and Evil
(119,625語 YL:8.0)

Sophieはプリンセスになることを夢見る女の子。彼女は内気で暗い友達のAgathaとともに、何者かお伽噺の世界に連れ去られる。そこでAgathaはシンデレラなどのお伽噺の主人公が通ったという「善」の学校に入れられ、Sohpieは逆に悪役達の学校に入れられてしまう。何とかAgathaと立場を入れ替えようとするSophieだったが…。

The School for Good and Evilシリーズの第1巻です。ファンタジーの学校というと、ハリーポッターをはじめ多くの物語がありますが、この作品では、SophieとAgathaという二人の主人公の女の子の対比を軸にすることで独自性を出していますね。自分のことばかりで周りを省みないSophieが、周囲に思いやりをもって行動をするAgathaに嫉妬するという構図が主ですが、夢や希望、憎悪や嫉妬、愛と裏切りなど、様々な感情がぐるぐると渦巻く人間ドラマが楽しめる作品です。

評価:★★★★

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2020.07.11

Sometimes I Lie


Sometimes I Lie
(83,085語 YL:7.0)

事故で入院中のAmber。体は動かせないが意識はあり、人の声は聞こえる。彼女の病室を訪れるのは夫、妹、両親、そしてある男…。そして時間が経つにつれ、事故の記憶が蘇ってくる…。

一人の女性の交通事故から、過去の出来事があぶり出されていくサスペンスです。事故後の入院時、事故前の出来事、そして子供の頃の日記の3つの時間軸が交錯しながらストーリーが進みます。物語の前半と後半で、視点がガラッと変わる仕掛けが仕組まれているのが面白いです。良い意味で、読者を騙してくれる作品です。

評価:★★★★

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2020.06.25

Green Requiem


Green Requiem
(19,000語 YL:4.0)
大学助手の信彦がカフェで出会った女性、明日香。彼女は、信彦が子供の頃、山の中で出会った緑色の髪の女の子にそっくりだった。次第に惹かれていく二人。しかし明日香の髪には秘密があった…。

新井素子著のSFラブストーリー「グリーン・レクイエム」の英訳版です。切ない恋愛とSFテイストのミックスが絶妙です。ショパンを聴きながら読みたくなる一冊。

評価:★★★★

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2020.06.20

The Life We Bury


The Life We Bury
(72,935語 YL:8.0)

大学生のJoeが与えられた宿題は「知らない人にインタビューをして、その人の人生を短くまとめる」というものだった。彼が対象として選んだのはCarlという男性。Carlは過去に殺人犯として有罪判決を受け、癌で余命短い身を療養所で暮らしていた。しかし、インタビューが進むにつれ、意外な過去が次々と明らかになる…。

1人の殺人犯の人生を巡るサスペンスです。Carlや関係者の証言が、Joeをどんどん思わぬ方向に導いていきます。Joeが事件の真相を突き止めるのが先か、それともCarlの命が尽きるのが先か、スリリングでスピード感のある展開は、読みごたえがあります。

評価:★★★★

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2020.06.07

Death's End (The Remembrance of Earth's Past trilogy, Book 3)


The The Dark Forest
(253,895語 YL:9.0)

膠着状態にあった地球人と三体星人。しかしついに三体星人の地球侵略が始まった。追い詰められる地球人達。起死回生の手段はあるのか。地球と宇宙の運命の行く末は…?

「三体」三部作の完結編です。「地球人対三体星人」というこれまでの構図を大きく覆す程のスケールアップで物語が進みます。我々の持つ常識的な物理法則の域を超えたストーリーは、SFというよりはむしろファンタジーに近いようにも見えます。時空を超えた、かつてない程の壮大さで繰り広げられる物語を紡ぎ出した、作者の物理科学の知識と無限の想像力には脱帽と言うしかありません。

評価:★★★★

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