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2004.10.29

Memoirs of a Geisha
(Penguin Readers: Level 6)

Memoirs of a Geisha (Penguin Joint Venture Readers S.)
Memoirs of a Geisha

貧しい家に生まれた主人公のチヨは、若くして祇園に売られてしまう。そこでは先輩の芸者からの嫌がらせなど、いくつもの困難が待ち受けていた。やがてチヨは芸者サユリとなり大きく成長していくが、彼女の心の中にはいつも、若い頃にやさしくしてくれた"chairman"がいた…。第二次大戦前後の祇園を舞台にした芸者達の物語です。

この作品は、フィクションだということなのですが、ノンフィクションだと言ってもかなり多くの人が信じるのではないでしょうか。登場人物の行動や舞台背景などにものすごくリアリティがあります。また、着物の柄や色彩などについても、すごく色鮮やかに表現されており、作者の繊細さを感じることができます。

サユリが一途に想いをはせるChairmanとの距離感がすごくいい感じですね。「すぐ側にいる。だけど決して手の届かない人」というすごく切ない感じが非常にいいです。

登場人物もみんな非常に個性があります。個人的には、サユリに執拗に嫌がらせを繰り返すハツモモが結構好きです。でも、もし彼女がこの物語を読んだら、「アタシはこんな悪いオンナじゃないわよ。キー!」とか言って怒りそうですね(^_^;;;

評価: ★★★★

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2004.10.23

The Witches

The Witches (Puffin Novels)
The Witches

主人公は、おばあちゃんと一緒に住んでいる男の子。おばあちゃんは魔女に詳しく、男の子に魔女のいろんな話をしてくれる。そして、ある日男の子は本物の魔女に遭遇してしまい、魔女の魔法で大変なことになってしまう…。Charlie and the Chocolate Factoryで有名なRoald Dahlの作品です。

魔女っていうと、トンガリ帽子をかぶってホウキにまたがって空を飛ぶというステレオタイプな姿が浮かびますが、この本に出てくる魔女は、それらと一線を画していて面白いです。例えば、


  • そもそも、魔女は人間ではない
  • 世界中にたくさんいる
  • 皆、ハゲである
  • 年に一度、集会を開く

などなど、他の物語では見ることのできない特徴を持っています。で、主人公の男の子は魔女の大親分であるGrand High Witch(彼女は訛りがキツイので、台詞がちょっと読みにくい)の魔法により、とても悲劇的な状況に陥るのですが、その状況を心から楽しんでしまっている彼の超前向き野郎なメンタリティが面白かったです。

惜しむらくは、オチがあんまりpeacefulではないので、読後の爽快感は感じられませんでした。ですが、ストーリー全体としては、ハラハラドキドキ感満載で、とても楽しめました。

評価:★★★★

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2004.10.15

Les Miserables
(Penguin Readers: Level 6)

Les Miserables (Penguin Readers S.)
Les Miserables

19年の服役生活を終え、自由の身になったジャン・バルジャン。しかし、行く先々で誰にも受け入れられず、盗みに走ってしまう。そんな中である司教によって慈悲の心を知った彼は、その後自分の命を賭けて様々な恵まれない人々を救う…。激動のフランスを舞台にした文豪ビクトル・ユーゴの代表作です。

主人公のジャン・バルジャンはその慈悲の心によって、多くの人を助けるのですが、彼は「全ての人々に惜しみなく愛を与える悟りきった聖人」ではありませんでした。彼は、自分を窮地に追い込んだ相手などに対して、怒りや憎悪を感じるのですが、それをこらえて慈悲を与えるというところが非常に素晴らしいと思います。ある意味、「全てを悟りきった聖人」になることよりも難しいことを彼はやってのけているのかもしれません。

また、主要な登場人物はそんなに多くは無いのですが、それらの人々が様々な場面で出会い、それぞれの人生が複雑にからみあってくるところも面白いです。時には、思いもかけない所に思いもかけない人がいたりするので「そんな訳ねぇだろう」とツッコミを入れたくなる場面もありますが、そこはご愛嬌ということで。ラストもいいですよ。

評価:★★★★

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2004.10.07

Cirque Du Freak

Cirque Du Freak (Saga of Darren Shan S.)
Cirque Du Freak

奇怪なもの(特に蜘蛛)に興味を持つ少年Darren Shan。彼と親友のSteveは奇怪な者達が出演するという禁じられたサーカス"Cirque Du Freak"のチケットを手に入れる。そこで彼らはMadam Octaという毒蜘蛛を目撃する。そして、Madam Octaに魅せられたDarrenがとった行動が、彼らの運命を大きく狂わせることになる…。

この物語は、"The Saga of Darren Shan"シリーズの第1作目です。というわけで、これから始まるであろうDarrenの数々の冒険の序章という意味合いが強いと思います。そのためかどうかは分かりませんが、物語の序盤は展開に乏しく、ちょっと退屈でした。しかし、物語の後半で起きる「事件」をきっかけに、話がぐんぐん展開していきます。Darrenは、自分自身がとった行動の結果、悩み、苦しみ、悲しみ…いろいろな感情が噴き出してくるのですが、その描写にすごくリアリティがあるように思いました。

この本を読んで、"一気にDarren Shanのファンになった!"というわけではありませんが、非常に強烈なインパクトを持った作品なので、次作も読んでみようかな、と思いました。

評価:★★★★

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2004.10.01

Rebecca
(Macmillan Guided Readers: Upper Level)

Rebecca (Heinemann Guided Readers)
Rebecca

大富豪のMaxim de Winterと結婚し、大邸宅Manderleyに住むことになった「私」。しかし、そこにはMaximの亡き前妻Rebeccaの遺品が至る所にあり、そして使用人達の心にもRebeccaは生き続けていた。そして「私」はRebeccaの幻影に対して次第に恐怖を感じるようになる…。


一言で言って、傑作だと思います。主人公である「私」は、大富豪の妻で、使用人からは丁重に扱われる立場で、ほとんど身の危険は無い状態だし、幽霊のような怪奇現象が起こるわけでもない。しかし、彼女は既に他界した前妻Rebeccaと、Rebeccaが屋敷や、使用人の心に残したいろんなものに恐怖を感じるようになります。このように「目には見えないけどそこはかとなく感じる恐怖」のようなものが、読者にものすごく伝わってきます。

また、誰からも愛された完璧な女性Rebeccaが、どんな人物だったのかを「私」は知りたいと考えるのですが、物語を読んでいる僕もすごく知りたくなり、どんどん読み進んでしまいました。そして、物語の後半で、Rebeccaについての様々な事柄が次第に明らかになってくるところでは、ページをめくる手が止まりませんでした。とにかく、先を早く読みたいと思わせる力のある作品です。常に「真実はどうなっているんだろう?この先、どうなるんだろう?」と思いつつ読んでいました。

なお、この話には、主人公の女性の名前が出てきません。巻頭の登場人物紹介でも"The narrator"としか書かれていませんし、Maximとの結婚後は"Mrs de Winter"と呼ばれます。このことはストーリーの展開とは全然関係無いのですが、こういうディテールも、物語の怪しさを醸し出すのに非常に効果が出ていると思います。

評価:★★★★★

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