Les Miserables
(Penguin Readers: Level 6)
19年の服役生活を終え、自由の身になったジャン・バルジャン。しかし、行く先々で誰にも受け入れられず、盗みに走ってしまう。そんな中である司教によって慈悲の心を知った彼は、その後自分の命を賭けて様々な恵まれない人々を救う…。激動のフランスを舞台にした文豪ビクトル・ユーゴの代表作です。
主人公のジャン・バルジャンはその慈悲の心によって、多くの人を助けるのですが、彼は「全ての人々に惜しみなく愛を与える悟りきった聖人」ではありませんでした。彼は、自分を窮地に追い込んだ相手などに対して、怒りや憎悪を感じるのですが、それをこらえて慈悲を与えるというところが非常に素晴らしいと思います。ある意味、「全てを悟りきった聖人」になることよりも難しいことを彼はやってのけているのかもしれません。
また、主要な登場人物はそんなに多くは無いのですが、それらの人々が様々な場面で出会い、それぞれの人生が複雑にからみあってくるところも面白いです。時には、思いもかけない所に思いもかけない人がいたりするので「そんな訳ねぇだろう」とツッコミを入れたくなる場面もありますが、そこはご愛嬌ということで。ラストもいいですよ。
評価:★★★★
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