The Citadel
(Penguin Readers: Level 5)
炭鉱のある田舎町に赴任してきた若き医師Mansonは、そこでの医療のしきたりや「金が全て」という考えを持つ医師達に疑問を持つ。そして、それらの医療現場の改革のために戦うことになる…。
主人公の医師Mansonは、若い頃は正義感が強く、医療現場改革の熱意にあふれているのですが、日々の仕事をこなしていくうちに、次第に「患者のために」ではなく「お金のために」仕事をするようになります。このような「患者のことを考えずにお金のためだけに仕事をする医師」というのは、若き日のMansonが最も忌み嫌っていたものなのですが、気づかないうちに自分がそのような医師の一人になっていく過程がなかなか面白かったです。もしかしたら、我々もいつの間にか「かつて自分が大嫌いだった人間」になっているのかもしれませんね。
Mansonが苦しみながら、もがきながらもいろんな理不尽と戦う姿はなかなか感動的です。ただ、惜しまれるのは、話の流れがちょっとストレート過ぎて次の展開が読めてしまう(特に、Mansonの妻Christineの身に起こる出来事など)ところが非常に多かったので、もうちょっといい意味で読者を裏切るようなサプライズが欲しかったです。
評価:★★★
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