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2005.02.13

There's a Boy in the Girls' Bathroom

There's a Boy in the Girls' Bathroom
There's a Boy in the Girls' Bathroom

Bradleyは学校中の嫌われ者。粗野で嘘つきで、宿題もしないし、留年していて友達もいない。ある日、そんな彼の学校に、カウンセラーのCarlaがやって来る。彼女は「あなたは、あなたの好きなようにすればいいのよ」と言い、Bradleyの言動を正面から受け止める。そんな彼女に戸惑うBradleyだが、次第に彼の行動に変化が見え始める…。

主人公のBradleyは、自分の周りの全ての人が嫌いでした。もし、そうだったら他の人に「お前なんか嫌いだ」と言われたとしても、嫌いな人から「嫌いだ」と言われて傷つくことはありません。また、彼は何もやろうとしません。何もしなければ何も失敗することはないし「俺は何もできないんじゃない。やろうと思えば何でもできるけど、やらないだけだ」と強がることもできます。しかし、彼の心の内を覗くと「否定されたらどうしよう…」とか「失敗したらどうしよう…」とか考えながらオドオドしている弱い一人の少年です。その弱さを他人に悟られないために、鋭利な棘のついた鎧で心をふさいで、他人を遠ざけ、自分を守ろうとします。

「失敗するのが怖い」という理由でチャレンジすることをあきらめてしまったり、傷つくことを恐れるあまり他人との関わりを絶ってしまうBradleyのような性質が、何だか自分の中にもあるような気がするので、「素直になりたいけど素直になれずに全てをブチ壊してしまう」という彼の行動には共感してしまうところが多々あったりしました。なので、読んでいて非常に痛々しいものがありました。しかし、そんな彼の心の鎧を、カウンセラーのCarlaは自分の言葉で1枚1枚ゆっくりと剥がしていきます。そして、Bradleyの心に徐々に変化が現れていきます。現実的には「そんなにうまくいくわけないだろう」と思う人もいるかもしれませんが、「誰にも信じてもらえない」と思い込んでいるBradleyの心を開くためには「すべてを受け入れる」Carlaのような人が必要だったのは間違いないと思います。そして、そんな人に出会えたBradleyは幸せ者だと思います。また、彼の物語を通して、Carlaの言葉を聞いて、自分を見つめなおすことのできる我々も、ある意味幸せ者だと言えるかもしれません。

この本を読んで、明日から自分の行動が一変するとは思いませんが、「勇気を出して、もう一歩踏み出してみようか」と思わせる作品です。特に、「最近ちょっと自分に自信が持てなくなっちゃった」という人には是非読んで欲しい一冊です。英文も比較的易しいし、学校という、ごく一般的な場所が舞台になっているので非常に読みやすいです。表紙やタイトルはちょっとふざけた感じですが、最後の最後は結構グッとくるものがありますよ。

評価:★★★★★

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