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2005.05.31

The Reptile Room
(A Series of Unfortunate Events)

The Reptile Room (Series of Unfortunate Events)
The Reptile Room

火事で両親を失ったBaudelaire家の子供達は、爬虫類学者のMonty叔父さんの家に引き取られます。優しくて賢いMonty叔父さんと、見たこともない珍しい爬虫類に囲まれて、子供達は安息の日々を得たかのように見えました。しかし、それも長くは続きませんでした。子供達に残された遺産を狙って、また"あの男"が3人の前に現れたのです…。

"The Bad Beginning"に続くA Series of Unfortunate Eventsの第2巻です。第1巻のでもそうでしたが、この本でも裏表紙をはじめ、本文の至る所に「ここから先に不幸なことが起こるぞ。読まないほうがいいぞ。今ならまだ間に合うぞ」みたいなことが何度も書かれています。「読むな」と言われて読むのをやめるような人はそもそもこの本を読み始めないだろうし、この「読むな読むな攻撃」は、続きを読みたくさせるための非常に効果的なスパイスになっていると思います。

また「読むな読むな攻撃」以外にも、随所に言葉遊び的な表現が盛り込まれており、不幸な物語のはずなのに、何だか楽しい童話でも読んでいるような気になってしまいます。作者はきっと、不幸なことよりも楽しいことが大好きな、でもちょっとひねくれた人なんだろうなぁ、と想像しています。

このシリーズは本の装丁もユニークです。背表紙の反対側を見ると、本文が書いてある紙の束が見えますが、それがわざと不揃いになっていて、なんだか非常に雰囲気のある作りになっています。1巻~3巻のセットも出ているので、映画を見て気に入った人は購入して損は無いと思います。僕もこのセットを買いました。

あ、書評なのにストーリーに全然触れてないや。ま、いいか。

評価:★★★★

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2005.05.28

When Lightning Strikes

When Lightning Strikes (1-800-Where-R-You)
When Lightning Strikes

高校生のJessicaは、親友のRuthとともに学校から家まで歩いて帰る途中に、雷に打たれてしまった。しかし、命に別状はなかった。だが、それからJessicaは何故か「行方不明者の居場所が分かってしまう」という特殊能力を身につけてしまう。彼女は、行方不明者情報ダイヤル"1-800-WHERE-R-YOU"に連絡し、行方不明者の居場所を知らせる。しかし、それが彼女を大きなトラブルに巻き込むことになる…。

「雷に打たれたのが原因で特殊能力を身につける」というのが、少し少年マンガチックで安直な感じもしますが、それでもストーリー展開が面白いので、どんどん読み進めて行きたくなります。主人公のJessicaの行動も結構行き当りばったり的で、次に何をするのか読めないので、彼女がトラブルに巻き込まれると、一緒になって「これからどうなるんだろう?どうすればいいんだろう?」という気持ちになることができます。

また、Jessicaのキャラクター設定もなかなかユニークで面白いと思いました。例えば「引きこもっている彼女の兄のことをバカにされると、カッとなって我を忘れて、バカにしたやつを殴らずにはいられない」とか「何事も「3番目くらいがちょうどいい」と考えていて、決して1番や2番になろうとは考えないけど、自分の「3番目の地位」を脅かすものが現れたら、そいつは全力で倒す」などです。

伏線が綿密に張ってあるような計算されたサスペンスとは程遠いですが、独特のキャラクターといきあたりばったり的なストーリーが絶妙にマッチした、非常に良い娯楽作品だと思います。爆発シーンがたくさんあるような単純ハリウッド映画が好きな人なら、結構楽しめると思います。映画と言えば、この作品中にも、有名ハリウッド映画(「逃亡者」とか「スターウォーズ」など)からの引用が結構あるので、作者も映画好きなのかもしれません。

英語に関しては、口語チックでかなりくだけた表現が多いので、はじめはちょっと戸惑いました。ですが、読み進めているうちに段々慣れてきて、気にならなくなりました。

評価:★★★★

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2005.05.25

多読1周年&お礼

気がつくと、2005年5月20日に、多読開始から1周年を迎えていました。せっかくなので、それを記念してblogのデザインを変えてみることにしました。夏も近いですし、「南国の海バージョン」にしてみました。

SSS英語学習法のサイトには「SSS方式(Start with Simple Stories) で多読を行えば、誰でも半年~2年の短期間でペーパーバックを辞書無しで楽しめるようになります。」と書かれています。で、もし僕が今「ペーパーバックを辞書無しで楽しめてますか?」と聞かれたら、YesでもNoでもなく、きっと"A little."と答えると思います。確かに、シドニィ・シェルダンをはじめ、ペーパーバックは何冊か読んでいますが、まだアガサ・クリスティーは全然読めませんでしたし、5万語を超える本をサクサク読むのにはまだ結構困難が伴います。本屋に行って面白そうな本を見つけたら「レベル」とか「語数」を気にせず、すぐにレジに持っていけるようになるにはまだ時間がかかりそうです。

このblogを立ち上げてから、「アクセス解析」なるもので訪問して下さる方々の傾向を見ておりますが、大半の方は「ブックマーク」からこのページに飛んで来られています。ということは、このblogをブックマークに登録して、複数回訪問して下さる「リピーター」の方々が複数いらっしゃるということになります。僕は「読んでいる皆さんに楽しんでもらおう」とか考えて文章を書いているわけではなく、ただ自分が読んだ本の感想を率直に述べているだけなのですが、そんなblogに興味を持って頂き、繰り返し訪問して頂ける方々がいらっしゃるということを非常に嬉しく思いますし、非常に励みになります。この場を借りて、このblogを閲覧して下さる方々(リピーター、一見さん問わず)にお礼を述べさせて頂きます。ありがとうございます。皆さんのご期待に沿えるような書評が書けるかどうかはわかりませんが、またお時間のある時にでも寄って頂ければ嬉しく思います。

あと、アクセス解析では、サーチエンジン経由でこのblogにたどり着いた場合、サーチエンジンで使用したキーワードが分かるようになっています。傾向として多いのは「洋書 多読」とか「多読 100万語」とか「Penguin Readers」とか、あとは書籍のタイトルそのものなどですね。ごくまれに「堂本剛」など、全然多読と関係無さそうなキーワードでこのblogにたどり着かれる方もいるのもなかなか面白いです(笑)。

それでは、これからもマイペースで読書&blogの更新をしてまいります。
今後とも「洋書の多読の記録のblog」をどうぞよろしくお願いします。

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2005.05.22

Johnny Angel

Johnny Angel
Johnny Angel

成績優秀、しかもフットボールチームのスターだった高校生のJohnny。彼の人生は前途有望であった。卒業パーティの日までは。その夜、彼は交通事故で突然この世そ去ってしまう。しかし、彼には、残された家族やガールフレンドに対して、やらなければならないことがあった。そして、彼は天国から舞い戻る…。

"The Great Blue Yonder"とか、「ゴースト ニューヨークの幻」のような、「突然この世を去った人が、心残りにケリをつけるためにこの世に舞い戻ってくる」系の物語です。この手のストーリーは、大体「突然他界→この世に戻ってくる→心残りを解消する→天国へ帰る→めでたしめでたし」という流れになっていて、どれも大差は無いと思います。なので、物語の中核の「心残りを解消する」というところの過程をいかに面白くするかにストーリーはかかっていると思います。ですが、この物語はハッキリ言ってあまりにストレート過ぎて面白みがありません。第一、主人公のJohnnyは、卒業生総代に指名される程成績優秀で、フットボールチームのスタープレイヤーで、家族思いで彼女にも優しくて、友達もたくさんいて、非常に理性的で分別もある素晴らしい人間で、まるでアメリカ人女性が考える最大公約数的「理想の男性」がそのまま描かれているかのようです。ですが、僕はこんな完璧な人間はウソ臭いと思いますし、ハッキリ言って好きではありません(単に自分が欠点だらけの人間なので、JohnnyのようなMr.Perfectが妬ましいだけかもしれませんが(笑))。まだ、"The Great Blue Yonder"の主人公のように、姉と喧嘩して「俺が死んだときに後悔するなよ!」と暴言を吐いて家を飛び出したら、本当に事故で死んでしまって、皮肉にも暴言を吐いた本人が、死後にそのことを滅茶苦茶後悔しているという方が、まだ人間味やかわいげがあると思います。

また、心残りを解決するプロセスについても、工夫が全く無いと思います。、「ゴースト ニューヨークの幻」では、ウーピー・ゴールドバーグ扮するインチキ霊媒師みたいな魅力的なキャラなどが出てきて楽しませてくれるのですが、Johnny Angelでは、Johnnyが問題を解決するために四苦八苦するシーンはほとんど無く、彼が「こうなってほしい」と願うだけで、あれよあれよという間に問題が解決していってしまうように見えました。そのため、ストーリーに起伏が感じられず、ただ淡々と物語が進んでいってしまう感じです。

世間一般では、こういう物語が「家族の絆を美しく描いたハートウォーミングストーリー」ってやつかもしれませんが、僕はちょっと受け付けられませんでした。ただ、英語は平易で読みやすいです。Sidney Sheldonが読める人であれば、スラスラ読めるレベルの本だと思います。

評価:★★

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2005.05.13

The Bad Beginning
(A Series of Unfortunate Events)

The Bad Beginning (Series of Unfortunate Events)
The Bad Beginning

Baudelaire家には、聡明で可愛らしい3人の子供がいました。発明好きな長女Violet、読書好きな長男Klaus、そして物をかじるのが大好きな赤ん坊の次女Sunnyです。ある日、彼らが浜辺で遊んでいると、大変な知らせが飛び込んできました。「君達の家が家事で全焼し、お父さんとお母さんは亡くなった…。」親を失った3人は、遠い親戚であるOraf伯爵の家に預けられます。しかし、Baudelaire家の莫大な遺産を狙うOlaf伯爵の手によって、次々に不幸な出来事が起こるのです…。

この物語は、人気のある物語だそうですが、最初は読む気は全くありませんでした。「不幸が次々に降りかかってくる物語」なんて、読んでいて気分が沈んできそうだと思ったからです。しかし、たまたま乗った国際線の飛行機の中で、この話の映画版「世にも不幸せな物語」をやっていました。しかも、主演は僕の大好きなジム・キャリーだったので見てみたところ、すごーく面白かったのです。で、原作も読んでみることにしました。

映画では、ジム・キャリーがまさに「やりたい放題モード炸裂」でOlaf伯爵を怪演しています。この伯爵はあの手この手で遺産を狙う極悪人なのですが、ジム・キャリーの演技があまりにユーモラスなので、子供達が窮地に追い込まれているシーンでもついつい笑ってしまうこともありました。「こんなキモチ悪いヤツが保護者なんて嫌あああぁぁぁ(笑)」という感じです。その他では(本当はこっちが主役なんだけど)3人の子供達もみんなかわいいし、非常に独特の雰囲気のある映画に仕上がっていると思います。

で、原作を読んでみると、その文体が面白いですね。物語の登場人物ではない作者が、ストーリーテラーとして読者に語りかけるという形式になっています。ストーリー的には、映画よりも不幸度が高いような気がしますが、それでも、僕の中ではOlaf伯爵はジム・キャリーになってしまっているので(笑)、個人的にはユーモラス度アップです。また、どんなに不幸が襲ってきても、どんなに窮地に立たされても決してあきらめずに活路を見出そうとする3人の子供達は、読んでいてやっぱり応援したくなりますね。

「原作を読もうかと思うけど、面白いのかなぁ?」と思っている人には、とりあえず映画を先に観ることをお薦め致します。逆に、原作を読んだ人にとっては、映画はきっと満足のいく出来になっていると思います。あと、オーディオブック版もあるそうです(sumisumiさんレビューされています)。

評価:★★★★

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2005.05.10

The Vampire Prince

The Vampire Prince (Cirque Du Freak
The Vampire Prince

ヴァンパイア一族に迫り来る危機!果たして、Darrenは、そしてMr.Crepsleyは危機を乗り越えることができるのか?そして、最後に待っている結末は…。

ダレン・シャンシリーズ第6巻です。第4巻第5巻と続いた3部作の完結編です。ストーリーの前半はそんなに意外性もなく、ちょっと期待外れだったのですが、物語の終盤にはいろんな事実が明らかになり、物語は意外な終わり方をします。まさに"No way!"という感じです。

あと、以前の物語にも随所に現れていましたが、この作者(ダレン・シャン)の描くヴァンパイア的なものの考え方って結構好きです。名誉を重んじ、規則に忠実で、何だかサムライに通じるようなものがあるような気がします。で、こういう考え方により導かれた意外な結末というのが、なかなか「味があるなぁ」と思った次第です。あと、このような一般的なヴァンパイア的意見と、彼らの「敵」の考え方、そして、ある種それらに対して異端であるダレンの意見がぶつかり合い、物語が進んでいくところも読みごたえがありました。

評価:★★★★

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2005.05.07

SAIKANO (Volume 2)

Saikano
Saikano

高橋しん作「最終兵器彼女」の英訳版第2巻です。北海道のとある街に住んでいる高校生のShujiと、女子高生かつ日本を守る最終兵器Chiseのラブストーリーです。

「またMANGAかよ」という声が聞こえてきそうですが(笑)、ゴールデンウィーク中は何かリラックスして読めるものを読みたいなあと思っていたら、結果的に2冊連続してMANGAということになってしまいました。ご容赦をば。

Shujiの初恋の人の話とか、戦場におけるChiseの姿とか、いろいろエピソードはあるのですが、結局のところ「自分の強大な力を制御できずに悩み苦しみ、それに耐えられるくらい精神的に強くありたいと願うChiseと、つらい立場に置かれている彼女に対して何もしてあげられないと苦悩するShuji」という図式は第1巻からずっと変わっていないので、物語自体があまり進展していないように見えます。1つ1つのエピソードについてきっちり描写しているのはいいのですが、個人的にはもうちょっとストーリーがサクサクと進んでほしいです。

それぞれのエピソードは決してつまらないわけではないのですが、評価としては期待を込めて辛めに採点して、星2つにしたいと思います。

評価:★★

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2005.05.05

Case Closed (Vol.1)

Case Closed
Case Closed

頭脳明晰、運動神経抜群な高校生探偵工藤ジミーは、類稀なる観察力と推理力で難事件を次々と解決していた。しかし、ある犯罪の現場を目撃していたところ、逆に相手の不意打ちをくらってしまい、怪しい薬物を投与されてしまう。ジミーが警察に発見されたとき、彼の体は小学1年生くらいの子供の体になってしまっていた。事件の真相を追究するために、彼は工藤ジミーであることを隠し、別の名前を名乗る。「ボク、江戸川コナン!」

というわけで、大人気コミック「名探偵コナン」の英語版です。主要なキャラクターの中には、原作(日本語版)と名前が変わっているものもありますね(工藤新一→Jimmy Kudo, 毛利蘭→Rachel Moore, 毛利小五郎→Richard Moore)。新一(Shin-ichi)という名前は、英語的にはちょっと奇異な感じがする(普通はリエゾンしてShinichi(シニチ)になる?)ので、馴染みやすい音の名前に変えたのかなぁ、という気がします。でも、主人公が初めて「江戸川コナン」を名乗ったとき、隣に住むアガサ博士が「お前は外国人じゃないんだぞ」とツッコミを入れましたが、外国人っぽさだったら工藤ジミーだって大差ないぞ、とツッコミ返しておきましょう。

みんなから尊敬の眼差しで見られていたジミーが小学生のコナンになった途端、誰も彼の言うことに耳を貸さなくなるのが面白いですね。普段我々が他人の意見を判断するとき、その意見の内容そのものよりも、その意見を誰が言ったかということで判断してしまいがちだということをよく表していると思います。さらに、自分の言うことを聞かない大人たちに、何とかして言いたいことを伝えようとするコナンの奮闘ぶりもなかなかいいです。

物語にツッコミどころはいろいろありますが(どんなに優秀だったとしても、高校生、ましてや小学生を殺人現場には入れさせないだろうとか、犯行の手口があまりにトリッキーで「こんな面倒臭いことするくらいなら、他にもっと簡単なやり方があるだろうに」と感じられたりとか)、こういう小中学生向け週刊連載少年マンガに、大人向けミステリ小説と同等の厳密さを求めるのは無意味だと思います。第一、そんなことをしても面白い作品になるとはとても思えません。むしろ、多少の強引さには目をつぶって、ストーリー展開の面白さで魅せるというこの作品の手法は、とても成功していると思います。キャラクターの容姿は多少ステレオタイプ過ぎるような気がしますが(魅力的なガジェットを発明するアガサ博士は、白髪、白衣でお茶の水博士風だし、事件を捜査するメグレ警部は帽子とコートと口髭がトレードマーク。そして黒服に身を包む悪者達など)、それもマンガとしての分かりやすさを最優先した結果だと思うし、キャラクターの性格はバラエティーに富んで魅力的です。特に、コナンの側に居ながら、行方不明のジミーのことを常に心配しているRachel Mooreの存在が、この物語をとても鮮やかなものにしていると思います。

評価:★★★★

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2005.05.03

洋書多読200万語通過!

こんにちは。Sidney Sheldonの"The Best Laid Plans"で洋書の多読200万語を通過しましたので、経過報告させて頂きます。

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