When Lightning Strikes
高校生のJessicaは、親友のRuthとともに学校から家まで歩いて帰る途中に、雷に打たれてしまった。しかし、命に別状はなかった。だが、それからJessicaは何故か「行方不明者の居場所が分かってしまう」という特殊能力を身につけてしまう。彼女は、行方不明者情報ダイヤル"1-800-WHERE-R-YOU"に連絡し、行方不明者の居場所を知らせる。しかし、それが彼女を大きなトラブルに巻き込むことになる…。
「雷に打たれたのが原因で特殊能力を身につける」というのが、少し少年マンガチックで安直な感じもしますが、それでもストーリー展開が面白いので、どんどん読み進めて行きたくなります。主人公のJessicaの行動も結構行き当りばったり的で、次に何をするのか読めないので、彼女がトラブルに巻き込まれると、一緒になって「これからどうなるんだろう?どうすればいいんだろう?」という気持ちになることができます。
また、Jessicaのキャラクター設定もなかなかユニークで面白いと思いました。例えば「引きこもっている彼女の兄のことをバカにされると、カッとなって我を忘れて、バカにしたやつを殴らずにはいられない」とか「何事も「3番目くらいがちょうどいい」と考えていて、決して1番や2番になろうとは考えないけど、自分の「3番目の地位」を脅かすものが現れたら、そいつは全力で倒す」などです。
伏線が綿密に張ってあるような計算されたサスペンスとは程遠いですが、独特のキャラクターといきあたりばったり的なストーリーが絶妙にマッチした、非常に良い娯楽作品だと思います。爆発シーンがたくさんあるような単純ハリウッド映画が好きな人なら、結構楽しめると思います。映画と言えば、この作品中にも、有名ハリウッド映画(「逃亡者」とか「スターウォーズ」など)からの引用が結構あるので、作者も映画好きなのかもしれません。
英語に関しては、口語チックでかなりくだけた表現が多いので、はじめはちょっと戸惑いました。ですが、読み進めているうちに段々慣れてきて、気にならなくなりました。
評価:★★★★
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