The Invasion
(Animorphs 1)
Jake, Rachel, Cassie, Tobias, Marcoの5人は、ある夜、工事現場で宇宙人に遭遇する。Andalitesと呼ばれる彼らの話によると、Yeerksと呼ばれる別の宇宙人が地球を支配しようとしているという。Yeerksの魔の手から地球人を守るために、Andaliteは、動物に変身する能力を彼ら5人に与えた。そして、彼ら"Animorphs"は、その能力を生かしてYeerksと対決することになる…。
何だかなぁ。「悪い宇宙人が攻めてくる。それを阻止すべく良い宇宙人が地球人にスーパーな能力を与える」って、すごく子供だましな設定だなぁ。今時、ウルトラマンや仮面ライダーだってもうちょとましな設定するだろうに。大体、「良い宇宙人」が地球人を守る動機が曖昧だし。何万光年も離れた星に住む我々を助けたところで、キミ達にどんなメリットがあるというんだ。あと、動物に変身できる技術を開発するだけの能力があったら、Yeerksをやっつけるために他にたくさんできることがあるんじゃないのか。おまけに「動物に変身できるが、2時間以内にもとに戻らないと、二度と人間に戻れなくなる」っていう設定も、切羽詰った場面を作るための無理矢理な設定に見えるし。人気のあるシリーズみたいだけど、ちょっと子供向けすぎるなぁ。さっさと読み終えて別の本を読み始めようっと。
…などと考えながら読んでいました。
が、
物語の後半に、いろんな動物になれる能力を次々と獲得していって、各人がその能力を最大限に生かして困難に立ち向かうシーンはものすごく生き生きと描写されており、迫力満点でした。まさに動物達の咆哮が聞こえてくるようです。物語の序盤は正直あまり面白くなかったのですが、クライマックスは読む価値アリだと思います。また「動物に変身する」という能力にもちょっと工夫がしてあって、「変身した動物の習性が出てきてしまう」という設定になっています。例えば、猫だったら猫じゃらしにじゃれてみたくなったりだとか、犬だったら波打ち際の波にたわむれてみたくなったりするなどです。そういう動物の本能に逆らって、人間らしさを保とうとする彼らの奮闘ぶりもなかなか面白いです。
舞台設定やストーリー展開にもう一工夫欲しかったのは事実ですが、描写のリアリティで十分合格点です。あと、ページの右下に、昔懐かしい「パラパラマンガ」でモーフィングのアニメーションを載せているのもおちゃめでgoodです。
評価:★★★★
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