Flowers for Algernon
知的障害を持つ主人公のCharlie Gordonは、常々「もし、賢くなれたらどんなに素晴らしいだろう」と思っていた。そして、ある日「頭を良くする手術」を受ける。その後、短期間であらゆるものを理解し、吸収していき、天才の域に達する。しかし、賢くはなったものの、Charlieを取り巻く状況は、彼が手術前に想像していた素晴らしいものではなかった。そして、同じ手術を先に受けて、賢くなっていたネズミのAlgernonに変化が現れ始める…。
物語は、主人公Charlieの手記(手術の経過レポート)という形式で表現されているのですが、最初のうちは文法も滅茶苦茶で誤字だらけです。ですが、次第に表現が正確で高尚になっていくことで、Charlieが賢くなっていくということを表現しているのが面白いですね。こういう「小説ならではの表現方法」って結構好きです。
Charlieが賢くなってからは、うまくいかない人間関係や、知らない方が幸せだったようなことを知ってしまったことなどで、幸せとはほど遠い苦悩の日々が続くのですが、それが手記というかたちで非常にリアルに表現されています。特に、物語の後半の方には悲壮な感じになってきます。結末にはおそらく賛否両論はあると思いますが、僕は「希望のある結末」と解釈して、結構いい終わり方だと思っています。
この物語は1959年に執筆されたらしいのですが、ほぼ半世紀経った今でも非常に新鮮な輝きを放っています。まさに、世代を超えて親しまれるヒューマンドラマの傑作だと思います。
残念ながら読書スピードがそんなに速くないので、読破するのに2週間もかかってしまいましたが、こういう本が1週間くらいでサクサク読めるようになりたいなぁ、と思います。
評価:★★★★
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コメント
十年以上前に一度読みました。これから、再読します。
投稿: ものぐさ父さん | 2011.09.10 23:38