PB300―ワケありのペーパーバック300選完全ガイド
最近、読む本を選ぶのにちょっと悩むようになってきたので、海外の作家さんについて知ることにより、自分の読書の幅を広げられればいいなぁと思い、買ってみました。
「どこから読んでもハズレ無しの巨匠」として、シドニィ・シェルダン等20人の作家と、「知る人ぞ知るいちおし作家」として10人の作家が紹介されています。そして、ペーパーバック300冊の紹介があります。
「ペーパーバック300冊」については、ただ300冊の紹介が羅列されているだけなので、利便性はあまり良くありません。例えば、総語数でソートしてあったり、ミステリ、SF、ノンフィクションのようなジャンル別などでまとめてあれば、少しは使い勝手が良くなったと思うのですが…。
あと、いろんな人へのペーパーバックに関するインタビューが載っているのですが、それらの人々の言葉の端々には、何か「洋書をたくさん買って欲しいなぁ」という洋版の思惑がプンプンです。例えば「ペーパーバック?捨てるほど読みますよ」という養老孟司氏の言葉の裏には、洋版の「捨てる程ゴンゴン買え買え」という声が聞こえてくるような気がしますし、タワーブックス渋谷店バイヤーの武藤理恵氏の「自分の直感を信じて、たまには「ジャケ買い」も」という言葉の裏には、「内容なんか気にせずに表紙に騙されてゴンゴン買え買え」というメッセージがあるような気がしてなりません。どうも「And Then There Were None事件」以来、洋版は「本を売るために姑息な策略」を弄しているような気がするのですが、気のせいでしょうか…。なんとなく、この「ペーパーバック300冊」の中にもどーしよーもなくつまらないので、全く売れない本をわざと混ぜているに違いないと想像してしまうのは考えすぎでしょうか。
(洋版さんへ。もし、この本を出版した理由が「読者を騙して洋書をゴンゴン買わせる」というのではなく「ただ純粋に、読者に素晴らしい洋書との出会いを提供したい」というものであれば、それを証明するのは簡単です。洋版さんのWebサイトでも、カタログでもどこでもいいので「紹介した洋書を所蔵している全国の図書館リスト」を作成して掲載して頂けるだけで結構です。)
ただ、上記のようなことを認識した上で、作家や洋書のカタログとして見れば、それなりに価値はあると思います。が、個人的にはこの本よりも英語多読完全ブックガイドの方に期待しています。レベル別多読図書リストがあるそうなので、自分にあった洋書がより簡単に見つけられるのではないでしょうか。
評価:★★★
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