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2005.08.12

The Curious Incident of the Dog in the Night-time

The Curious Incident of the Dog in the Night-time
The Curious Incident of the Dog in the Night-time

近所、Ms.Shearsが飼っていた犬Wellingtonが何者かによって殺された。第一発見者である主人公Christopherは、真犯人を探るべく捜査を開始する。しかし、彼は後に意外な真実を発見することになる…。

上記のイントロダクションを見ると、ミステリ小説のように見えますが、この話はそうではありません。アスペルガー症候群(自閉症の一種?)の主人公Christopherが見た世界を描いたヒューマンドラマです。Christopherは、外界とのコミュニケーションに難がありますが、数学や物理学に対して非常に興味を持っており、それらに対する理解度は非常に高いです。この物語は、彼の「手記」という形式で記述されているのですが、度々、彼が興味を持つこれらの分野について記述されている「脱線」があります。僕はどちらかというと「物語はシンプルな方がいい」と思っているので、脱線はあまり好ましいとは思わない方なのですが、この物語の脱線の仕方は、僕の好みとドンピシャにマッチしていたので、楽しく読むことができました。

どうやら、主人公のChristopher(もしくは作者)は「世の中に存在する単純なルールが複雑な結果を生み出している」という事象に非常に興味を持っているようです。例えば、彼は「素数」が好きだと言っています。この「素数」というのは、文にして書くと「1とそれ自身以外では割り切れない整数」と非常に簡潔な条件で記述できるのですが、任意の数が素数であるかどうかを簡単に判断できるアルゴリズムは見つかっていません。このような「単純だけど解明できない」素数を、彼は「まるで人生のようだ」と述べています。このセンスに脱帽です。その他にも、確率の話、複雑系(カオス)の話、天文学の話など、彼の脱線話はいちいち面白いので、物語の本筋より楽しめるくらいです。

世の中「理系離れ」とか言われていますが、この本のように、理系野郎の心をくすぐるような児童書がたくさん出てきてくれれば、もっともっと理系分野に興味を持つ子供が増えるかもしれないなぁ、と100%理系頭の僕は思ったのでした。

評価:★★★★

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