The War of the Worlds
(Penguin Readers: Level 5)
19世紀の終わりに、突然地球に来襲してきた火星人達。彼らは見たこともない強大なマシンを操り、殺戮と破壊を繰り返す。パニックになり、逃げ惑う人々。極限状態で起こる様々なドラマ。果たして、人類は火星人を倒し、生き延びることができるのか?
火星人の襲来を描いたこの作品は、オーソン・ウェルズがラジオドラマの中でその襲来の様子をアナウンスする演技をしたところ、そのあまりのリアリティのために本当だと思い込んだ人々がパニックになって、死者まで出たというエピソードで有名なSF作品ですね。また、最近、スティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演で映画化されましたね。公式サイトもあるのですが、日本語があまりに機械翻訳そのまんまで、とても読めるような代物ではないのですが、へなへな感があってなかなかに味わい深いです。
物語は、正統派パニックストーリーと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、情景や人々の行動の描写が非常にリアルで、物語にぐいぐい引き込まれてしまいます。特に、人々が死と隣り合わせにいても、火星人の襲来というとてつもない出来事に、危険を忘れて興奮してしまうようなシーンでは、読んでいるこちらも興奮してきます。こんな作品が100年以上も前に書かれたなんて、非常に驚きです。
この作品が書かれたのが19世紀で、今はすでに21世紀です。でも未だに地球外生命のはっきりとした証拠は見つかっていません。作者のH.G.Wells氏がこれを知ったら、ちょっとがっかりするかもしれませんね。でも、もしこんな火星人が見つかったら、さらにがっかりするかもしれませんね。(笑)
評価:★★★★
| 固定リンク
コメント