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2005.11.25

Emil and the Detectives

洋書
Emil and the Detectives

おばあちゃんが住むベルリンまで一人で旅をすることになった少年Emil。しかし、彼は列車の中でうたた寝をしている間に、母親から預かったお金を盗まれてしまう。犯人は、彼の側に座っていた「帽子の男」に違いないと考えたEmilは、列車を降りると密かに「帽子の男」の尾行を開始する。「絶対に捕まえてやるからな!」

主人公のEmilやベルリンの少年達が大人顔負けの捜査を展開します。綿密な役割分担や情報伝達方法の形成、状況に応じた作戦の変更など、非常に本格的でスパイ小説も真っ青です。そうは言っても主人公は子供ですし、作品全体には「ほのぼのテイスト」がただよっているので、殺伐とした雰囲気は全くありません。子供達が一生懸命知恵をしぼって犯人を捕まえようとするさまは、非常に微笑ましいです。

ラストもきれいにまとまっており、児童書のお手本とも言える秀作だと思います。

評価:★★★★

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2005.11.24

Once a Mouse ...

洋書
Once a Mouse ...

ある日、仙人が森の中で一匹のネズミを見つけた。彼はそのネズミを飼うことにしたのだが、様々な動物達がネズミを狙ってやってくる。そこで仙人は、魔法を使ってネズミを守ることにしたのだが…。

この物語は、ストーリー的には童話によくあるパターンと言ってしまえばそれまでかもしれません。ですが、この物語が語る「教訓」のようなものが、あとからじわじわと効いてくるような感じがします。この絵本は、子供でも簡単に読めそうですが、どちらかと言うと大人、特に社会的に成功している人が読んでみると面白いかもしれません。

また、絵は全て版画によって描かれており、なかなかに独特な味があってシブいです。

評価:★★★

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2005.11.21

Double Act

洋書
Double Act

双子の姉妹RubyとGarnetは、性格は正反対だがとても仲良し。姉のRubyは活発で外交的、妹のGarnetは物静かで繊細。だけど2人は何をするのもいつも一緒。いつまでもずっとこのままいられると思っていた。しかし、パパがRoseという恋人を家に連れて来た日から、2人の生活に様々な変化が起きはじめる…。

まだ10歳の姉妹が、いろんな変化に戸惑いつつも、お互い支えあったり、衝突しながら少しずつ成長していく姿がすごくいいですね。そんな2人が同じノートに交互に言いたいことを記述するという形式で物語が書かれているのもなかなか新鮮です。で、あまりにもいろんな変化が起きすぎるので、最後の方では「このままどうなっちゃうのかなぁ?」とちょっと心配にもなりましたが、ラストも非常にうまくまとめられていると思います。

イラストも可愛いですし、子供から大人まで楽しめる一冊だと思います。

評価:★★★★

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2005.11.20

The True Story of the 3 Little Pigs!

洋書
The True Story of the 3 Little Pigs!

「俺はAlexander T.Wolf。オオカミだ。俺は何で「3びきのこぶた」があんな話になっちまったのか分からねぇ。だけど、あの話は全部でたらめなんだ…。」

「3びきのこぶた」において悪役であるオオカミが、あの「事件」について、自分の「言い分」を主張するお話です。よく知られている童話を、悪役の視点でとらえるというアプローチは非常に面白いと思ったのですが、オオカミの言い分にもうちょっと工夫が欲しかったですね。彼の言い分では、オオカミは加害者でこぶたが被害者という構図には変わりがないので、もうちょっとオオカミの潔白度の高い設定にした方が面白かったような気がします。

以前読んだ「3びきのこぶた」のパロディー"The Three Little Wolves and the Big Bad Pig"が非常に面白かったので、比較するとどうしても採点が辛くなってしまいますねぇ。

評価:★★

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2005.11.18

Winning Isn't Everything

今回は「番外編」ということで、洋書ではなく、面白かった英語の「論文」を紹介します。

現在行われている大相撲九州場所では、朝青龍の連続優勝記録の更新や、琴欧州の大関挑戦などでいろいろ話題になっていますが、シカゴ大学のSteven D. Levittという先生が、大相撲について書いている非常に興味深い論文を見つけましたので紹介します。

その論文は"Winning Isn't Everything: Corruption in Sumo Wrestling"というタイトルで、大相撲における「八百長」について統計解析的アプローチから検証している論文です。そこでは、以下のような事象を明らかにして「大相撲では、勝ち越しをかけた勝負における八百長(勝ち星の貸し借り)が行われているとしか考えられないことが起こっている」と述べています。


  • 力士の一場所における成績が7勝8敗になる確率は、統計的に見ても異様に低いのに比べて、8勝7敗になる確率は異様に高い。
  • 勝ち越しのかかった対戦において、勝ち星を「借りた」と思われる力士が、勝ち星を「貸した」力士と再度対戦する場合には、勝ち星を「返す」ことが非常に多い。つまり、八百長における勝ち星の対価は金銭などではなく、次回対戦時の「勝ち星」である可能性が高い。
  • 勝ち星のやりとりは、直接対戦する力士同士だけでなく、力士が所属する部屋単位で行われている可能性が高い。つまり、土俵に上がる力士以外に、勝ち星をコントロールする存在がいる(一番怪しいのは、やっぱり部屋の「親方」でしょうね)。
  • 八百長疑惑がマスコミでクローズアップされた直後には、八百長が疑われるような傾向がパッタリ見られなくなる。
  • 過去に、八百長に加担した力士や、八百長を拒んだ力士の名前がマスコミに暴露されたことがあったが、その記事の信憑性は非常に高い。

なんかもう、状況証拠的には「真っ黒け」という感じですね。これだけの傾向が、力士の星取表という客観的事実から明らかになってしまっては、他のどんな説(「過去に八百長なんか絶対存在しなかった」とか「力士は勝ち越すことに物凄く貪欲なので、勝ち越しのかかった取り組みでは、人智を超えたスーパーパワーを発揮する」など)も「大相撲では八百長が日常的に行われている」という仮説を覆すほどの信憑性を持たないことがよく分かります。

この論文を執筆したLevitt先生は、経済学が専門のようですが、経済学で利用する統計解析などの道具を、他の分野にもいろいろ応用して楽しんでいるようです。Freakonomicsという本も出版しているそうですが、このタイトルは「Economicsの道具を使ってイタズラしてしまうFreak」というところから来ているのでしょうね。

このアプローチとは反対に「経済学を、他の視点から見てみよう」という試みもいくつか始まっているようです。例えば、高安秀樹氏は、物理学的な道具を用いて経済的パラメータの変動の特徴を分析するという経済物理学(エコノフィジクス)というアプローチで研究を進めているようです。

こういう「異なる領域にまたがる研究」って、すごく独創的で面白いと思いました。

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2005.11.16

Three Tales of My Father's Dragon

My Father's Dragon, Elmer and the Dragon, the Dragons of Blueland
Three Tales of My Father's Dragon

主人公の男の子Elmarは、ある日一匹の猫を拾いました。Elmarは言いました。「ボク、大きくなったら飛行機が欲しいなぁ。空を飛んでどこにでも行けるって、すごいと思わない?」猫は答えます。「昔、Wild Islandに行ったときに、そこで竜を見た。今は囚われの身になっているその竜を助けてあげれば、きっと竜はお前を背中に乗せてどこへでも飛んで行ってくれるだろう」そこで、Elmarは竜を助けるべく、旅に出ます…。

"My Father's Dragon", "Elmer and the Gragon", "The Dragons of Blueland"の3部作を一冊にまとめた本です。Elmarと竜の友情や、数々のピンチを切り抜けるためのElmarの機転など、児童書に必要な「わくわく要素」満載のファンタジーです。また、大きめに描かれている多数の挿絵も素晴らしいです。黄色と青のストライプが鮮やかなドラゴン、Wild Islandに現れる様々な動物達などが非常に可愛く描かれています。

子供向けファンタジーとして、安心してお薦めできる一冊だと思います。

評価:★★★★

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2005.11.14

Charlotte's Web

洋書
Charlotte's Web

農家で飼われている子豚のWilbur。ある日、彼は自分が飼い主に殺されてしまう運命であることを知ってしまいます。「ボク、死にたくないよう!誰か助けて!!」「…私が助けてあげる。」蜘蛛のCharlotteは答えました。さあ、Charlotteは、どんな手段でWilburの命を救うのでしょうか?

子豚と蜘蛛の友情を描いた物語です。ストーリーがちょっと予定調和的すぎるかなぁ、という気がします。あと、この2匹の間の友情とは対照的に、人間の薄情さがかえって鮮明になってしまっているような感じがしました。

それでも、農家に住む他の動物達(ネズミやガチョウ、羊など)はとてもにぎやかで生き生きと描写されていますし、挿絵にたくさん出てくるWilburは、まるまる太ってなかなか可愛く描かれています。

評価:★★

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2005.11.12

Shrek!

洋書
Shrek!

彼の両親はどちらも醜かった。しかし、彼らの息子Shrekは、両親の醜さを足し合わせたものよりももっともっと醜かった。そんなShrekに対して、魔女は予言をしました。「お前さんは、お前さんよりも醜い姫と結婚するよ」それを聞いたShrekは、姫を探す旅に出る…。

アニメ映画にもなった「シュレック」の原作ですが、まずShrekのキャラ設定が凄すぎます!口から火は吐くし、目からはビームが炸裂!おまけに、彼の醜さのあまり、草木ものけぞってしまいます。なんつーか、そのブッ飛びぶりにただただびっくりです。ですが、もっとびっくりしたのが、

「知らない単語がいっぱいある!」

ということです。高々1000語程度の絵本なのに…。あまりに知らない単語ばかりなので、日本語訳と比べて読んでしまいました。あらためて「TOEIC900点を越えても、洋書の絵本すらまともに読めねぇ」ということを認識させられました。

恐るべしShrek!

原書、日本語版のついでにDVDも見てみました。こちらのシュレックは、自分が醜いことに悩み苦しむ、心優しいシュレックだったので、絵本ほどの衝撃はありませんでした。それでも、フィオナ姫をはじめとして、CGで描かれたキャラクター達の生き生きとした表情は圧巻でした!

評価:★★★

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2005.11.09

The Three Little Wolves and the Big Bad Pig

洋書
The Three Little Wolves and the Big Bad Pig

むかしむかし、あるところに、3びきのかわいいオオカミが住んでいました。彼らはみんなで協力して、自分達の家を建てました。そこへ、大きくて凶暴なブタが現れて言いました。「家の中へ入れておくれよ。入れてくれなきゃ、家を吹っ飛ばしてしまうぞ!!」…ちょっと話がおかしいですか?いえいえ、全然おかしくありません。このお話は「3匹のこぶた」ではなく「3匹の子オオカミ」だからです。

ぶははははは。この絵本をよんでついつい笑ってしまいました。「3匹のこぶた」のパロディーなのですが、非常によくできていると思います。特に悪役のブタがいいですね。絵を見るといかにも極悪人な面構えだし、彼が様々なウェポンを駆使してかわいそうなオオカミ達の家を破壊する様子は、爽快ですらあります。

下手なギャグマンガよりもよっぽど笑える作品です。「くだらねぇ~」と思いつつ、ついつい笑ってしまうような作品を欲している方は、是非ご一読あれ。

評価:★★★★★

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Who Moved My Cheese?

洋書
Who Moved My Cheese?

日本でもベストセラーになり話題になった「チーズはどこに消えた?」です。

一言で言うと「世の中は変わり続けている。だから、過去の成功体験を捨てて新しいことにチャレンジしたときに失敗することを恐れるあまり、その場に留まってしまうよりも、変化に素早く対応して、それを楽しんだ方が幸せになれるよ」というお話だと思います。そして、我々が追い求める目標や幸せを「チーズ」に、そしてそこへたどり着くまでの過程を「迷路」に例えて、主張を非常にシンプルに分かりやすく表現しています。

"There's a Boy in the Girls' Bathroom"もそうだと思うのですが、この作品のように「チャレンジすることにちょっと臆病になっている人達の背中をポンと押して、前に進む勇気を与えてくれるような物語」は結構好きです。特に、以下の一言は、多くの人が物事を決断するときに、どうすべきかを判断するための大きなヒントになるような気がします。

"What would you do if you weren't afraid?"

英語も簡単だし、話が短いので、中学卒業程度の英語力があれば読破できると思います。

評価:★★★★

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2005.11.07

The Lion, the Witch and the Wardrobe

洋書
The Lion, the Witch and the Wardrobe

Peter, Susan,Edmund,Lucyの4人は、戦火を避けるために田舎の家に疎開していた。ある日、Lucyがその家の洋服箪笥の扉を開けてみると、そこは異世界Narniaへと続く扉になっていた…。「ナルニア国物語」の第2巻です。

第1巻が面白かったので、続けて第2巻も読んでみたのですが…う~ん、ちょっと期待外れであまり楽しめませんでした。その理由を考えると「この物語の中で明らかになっていないことが多すぎる」ことが原因なんじゃないかなぁ、と思います。例えば、Narnia国の創始者であるAslanと、魔法によってNarniaを真冬の国にしてしまったWhite Witchとの対決を描いているのですが、この物語だけからでは、何故この2人がいがみあっているのかや、White WitchがNarniaを雪に埋もれさせてしまった理由などがあまりよく分からないような気がします。個人的には、この本よりも第1巻を先に読む方がいいのではないかと思います。

また、児童書にしては英語がちょっと難しかったことも、あまり楽しめなかった理由の1つかもしれません。知らない単語もたくさんありました。

評価:★★

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2005.11.05

A Color of His Own

洋書
A Color of His Own

オウムは緑色、金魚は赤、象は灰色…。「みんな自分の色を持っているのに、どうして僕だけ自分の色が無いんだろう?」周りの色に応じて体の色が変わってしまうカメレオンは悩みました…。

このカメレオンの求める「自分の色」というのは、人間でいうところの「個性」のアナロジーのように思いました。で、世の中では「自分の個性や意見、アイデンティティをキチンと持って、周りに流されない」のが良いとされることが多いように思うのですが、この絵本は「自分の色なんて持ってなくてもいいんじゃない?そんなもの無くっても、幸せになれる方法はありますよ」と優しく語りかけてくるようです。

短いけれど、なかなか考えさせられる絵本のように思いました。

評価:★★★★

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2005.11.04

The Very Hungry Caterpillar

洋書
The Very Hungry Caterpillar

ある日曜日の朝、小さなあおむしが卵から生まれました。彼はお腹がぺこぺこだったので、食べ物を探しに出かけました…。

有名な「はらぺこあおむし」の絵本です。話は非常に単純なのですが、ページに「穴」が開いていたりなどの工夫がしてあり、なかなかよくできているなぁ、と感心しました。単純な表現が何度も繰り返して出てきますし、とてもカラフルなので、小さな子供の読み聞かせ用に最適の絵本だと思います。

評価:★★★★

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2005.11.03

Frog and Toad Are Friends

洋書
Frog and Toad Are Friends

春がやってきました。冬眠から覚めたFrogは、友達のTordを起こしに行きました。「Tord、もう春だよ、起きてよ!」しかしTordは「まだ眠たいよ…。もう少し寝ていてもいいだろう?」と言います。さあ、Frogは、このねぼすけTordを起こすことができるのでしょうか?

挿絵を見ると、あんまり可愛いとは言えないFrogとTordですが、読み進んでいくうちに、なんとも言えない「いい味」を感じますね。特に、ボケ役のTordがいいです。くまのプーさんに通じるほのぼのさがあると思います。また、FrogもTordも友達思いで非常に優しいので、小さな子供にも安心して読ませられる物語になっていると思います。

評価:★★★

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2005.11.02

Charlie and the Great Glass Elevator

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Charlie and the Great Glass Elevator

チョコレート工場の工場長であるWonka氏の発明した「不思議なガラスのエレベーター」で、チョコレート工場に向かうことになったCharlieと彼の家族御一行様。ところが、ガラスのエレベーターは大気圏を着き抜け、宇宙空間へ飛び出してしまった!

"Charlie and the Chocolate Factory"の続編なのですが、前作をはるかに上回る無茶苦茶っぷりに驚愕です!

起承転結お構いなしの行き当りばったりなストーリー展開!

いい加減な設定の登場人物(生物)達!

さらに磨きのかかったWonka氏の奇行!

阿鼻叫喚の老人四人衆!

そして、前作にも増して影の薄くなったCharlie!

どれをとっても最高です。何もかもがイッちゃってます。「アンタ、その場の勢いだけで話作ってるやろ、ダールさん!」とツッコミを入れたくなる破天荒ぶりです。「ナンセンスギャグファンタジーここに極まれり」という感じです。こんなテキトーな作品を世に送り出してしまうとは、恐るべしロアルド・ダール!

ハリウッドで、「ちょこふぁく」を映画化するくらいなら、この作品も是非映画化して欲しいですね。超低予算のB級映画として。監督は少林サッカー のチャウ・シンチーでお願い致します。

評価:★★★★★

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