The Suitcase Kid
10歳のAndreaの両親が離婚し、それぞれ子持ちの相手と再婚することになった。父親とも母親とも離れたくない彼女は、お互いの家を行き来する生活になる。しかし、そこには彼女が安らげる場所はどこにも無く、唯一心を許せる相手は、ウサギのぬいぐるみのRadishだけになっていた…。
Double Actを読んだときにも感じたのですが、「両親の離婚や再婚などの難しい事態に直面したときの女の子の気持ち」を描かせたら、ジャクリーヌ・ウィルソンの右に出る作家はそうそういないのではないかと思います。大人が勝手に決めたことについて、子供が拒否反応を起こしたとしても、大人達は「どうしてこの子はこんなばかなことをするんだ」と戸惑うばかりだと思いますが、この作品では、居場所を失ったAndreaが、何を感じて、何を考えて行動していたのかが、子供の視点からきちんと描かれています。また、彼女が居場所を無くしてさまよっている時のさみしさにも非常にリアリティがあるので、読んでいるうちに切なくなってしまう場面も多々あります。
Andreaと同年代の子供が読んでも十分共感できる作品だと思いますが、子供に接する機会の多い大人にも是非読んでもらいたい作品です。
評価:★★★★
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