The Boy Who Lost His Face
僕は最初から気が進まなかったんだ。お婆さんから杖を奪うだなんて、そんな可哀想なこと。でも、親友のScott達がやるって言ったから、ついて行っただけなんだ。おかげで僕は呪われてしまったんだ。あのお婆さんは魔女だったんだ。お婆さんを転ばせたのは僕じゃない。杖を奪ったのも僕じゃない。ただ僕はお婆さんに「指を立てた」だけなのに…。
「呪い」のおかげで、やることなすことうまくいかなくなった少年Davidの物語です。でも、そんな呪いとは関係なく、思春期の少年の気持ちをとてもリアルに表現していると思います。「あいつがやると何でもクールに見えるのに、僕が同じことをやると笑いものになるのは何故だろう?」とか「好きな女の子をデートに誘いたいけど、どうすれば失敗せずにうまくいくんだろう?」など、多くの子供が一度は心に思う気持ちがとてもよく描けていると思います。もがいてもがいてドツボにはまっていくDavidを見ていると「頑張れっ!」と応援したくなります。"There's a Boy in the Girls' Bathroom"を読んだときにも思ったのですが「不器用系男子」を描かせたら、ルイス・サッカーに敵う作家はいませんね。
物語のラストも、味わい深くまとめられていて、なかなかいいですよ。
評価:★★★★
| 固定リンク
コメント