The Stolen
The Stolen
(55,000語 YL:5.5)
主人公のCarlyが通う小学校に、Meredithという女の子が転校してきた。彼女はちょっと大人びたような感じで、友達もあまりできそうになかった。そんな彼女に優しくして、友達になろうとするCarly。しかしある日、学校までMeredithを迎えに来た彼女の祖母Graceから、Carlyは信じられないような話を聞く。「Meredithは私の孫なんかじゃないわ。私こそがMeredithなのよ。あなたの知っているMeredithは…私の体と人生を奪っていった「魔女」なのよ。」
「老いることへの恐怖」みたいなものは、普通にあると思うのですが、「子供が突然老人に変えられてしまい、人生を全うせずに死を待つ身になる」というのはなかなか設定として斬新だと思いました。自分の体と未来を奪われた悲しみ、恐怖、そして怒りがひしひしと伝わってきます。それでも、語り手のCarlyの明るい口調のせいか、絶望的な状況においても物語全体が暗くどんよりとした雰囲気にはなっていません。
難点としては、同じ作者(Alex Shearer)によるThe Great Blue Yonder同様、子供の語り口調という文体で書かれており、ちょっと冗長な部分も多かったので、文章をもうちょっとシンプルに表現して、物語をテンポ良く進めてほしかったように思います。
評価:★★★★
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