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2006.09.25

Washington Square
(Oxford Bookworms Stage 4)

Washington Square (Oxford Bookworms Library)
Washington Square
(15,510語 YL:3.8)

有能で裕福な医者Sloperには、一人娘Catherineがいた。しかし、彼女は父の聡明さも、若くして他界した母の美しさも受け継がない、平凡な娘だった。そのため、彼女と付き合おうという男性はほとんどいなかったが、ある日ハンサムなMorrisが彼女の前に現れ、2人の付き合いが始まり、結婚を考えるようになった。しかし彼女の父は、Morrisは遺産目当ての悪い男だと考え、2人の結婚を許さなかった…。

う~ん。物語が一本調子で起伏が無いですね。ストーリー全般において「娘→Morris好き好き」「男→金欲しい」「父→結婚は許さん」という構図はずっと変わらないままで、最後の最後に大きなどんでん返しみたいなものが待っていると期待して読んでいましたが、オチまですーっと終わってしまいました。

波乱万丈な現代テレビドラマに慣れている我々には、ちとキツい一品ですね。

評価:★★

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2006.09.22

The Black Cat and Other Stories
(Penguin Reading Level 3)

The Black Cat and Other Stories (Penguin Reading Lab, Level 3)
The Black Cat and Other Stories
(9,000語 YL:3.2)

私はある日、猫を飼い始めた。しかしその後、酒に溺れるようになり、次第にその猫を虐待するようになった。そしてついにある日、そいつの首をつって殺してしまったのだ…。

表題の"The Black Cat"をはじめとするエドガー・アラン・ポーの作品4作の簡約版です。どの話も人間の心に潜む狂気や虚構などをとてもうまく利用して、怖さを演出していると思います。短くても十分ストーリーは楽しめるようになっているので、ホラー好きな英語初心者にお薦めです。

評価:★★★

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2006.09.20

Heat and Dust
(Oxford Bookworms Stage 5)

Heat and Dust (Oxford Bookworms Library)
Heat and Dust
(21,000語 YL:4.5)

外交官のDouglas Riversと結婚したOliviaは、当時(1920年代)イギリスの統治下にあったインドに住むことになる。しかし彼女は、後にDouglasのもとを離れ、インドの王子と一緒になる。果たして彼女に何が起こったのだろうか?真相を突き止めたいと思ったDouglasの孫娘は、インドの地に降り立った。この土地の灼熱と埃は、人の心を変えてしまう力を持っているのだろうか…?

50年の時を経て、二人の女性(Douglasの孫娘とOlivia)の人生が重なりあうストーリー構成が見事です。また、二人ともがインドの独特の雰囲気に次第に引き込まれ、心の変化が起きる様子を緻密に描いていると思います。特に、イギリス人の夫Douglasを深く深く愛しながらも、次第にインドの王子に魅かれてゆくOliviaの姿には、共感する女性読者も多数いるのではないでしょうか。

情景描写も素晴らしく、インドの暑さがこちらまで伝わってきて汗をかきそうです(笑)。

評価:★★★★

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2006.09.19

知恵熱かっ!?

現在、「目と脳で感じるダイナミック英語速読 分速1,000wordsマスター」を教科書にして、速読の訓練中です。

速読の訓練は、大きく分けて「視線移動」と「視野の拡大」の2つに分かれています。「視線移動」の方は、できるだけ早く文章を走査できるように、目の動きを速めるための訓練で、いわば「目のフィジカルトレーニング」といった感じです。また、「視野の拡大」の方は、ひと目で意味が読み取れる単語の数(これを「リーディングスパン」と言うのだそうです)を増やす訓練です。例えて言うと、本のページ全体を視野に入れて眺めることはできても、ページの両端にある単語を「視線を動かさずに」読み取ることはなかなか難しいですよね。英文を読むとどうしても緊張してしまい、視野が狭くなる傾向にあるので、これを拡大するトレーニングが有効なのだそうです。

で、訓練を始めたのはいいのですが、その直後、1週間に2度も発熱で寝込むという事態に襲われました。多分どこかで風邪をもらってきただけだと思うのですが、個人的には滅多にないことでもあり、「速読訓練で普段使わない能力を使おうとしたので知恵熱が出たかっ?」と思ってしまいました(笑)。

まあ、これからは熱を出さない程度に頑張っていこうと思います…。

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2006.09.18

The Grass is Singing
(Penguin Readers Level 5)

The Grass Is Singing (Penguin Reading Lab, Level 5)
The Grass is Singing
(14,000語 YL:5.0)

貧しい農家を営む白人Dickの妻Maryが殺害された。容疑者である黒人の使用人はすぐに捕まった。動機は物取りという一見単純に見えるこの事件。しかし二人の間にはどんな真相があったのであろうか…?

華やかな街の暮らしを満喫していたMaryが、Dickとの結婚によって劣悪な環境にある貧しい農家に移り住むことになります。そこで彼女は、彼女が忌み嫌う黒人の使用人たちに囲まれて暮らしていくことになります。はじめは何とか状況を改善しようと努力していたのですが、結局何をやっても明日に希望を持てない環境で、徐々に狂気に侵されてゆくMaryの姿が非常にリアルで痛々しいです。一人の女性の心の変化を見事に描いた良作だと思います。

評価:★★★★

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2006.09.16

Nothing to be afraid of

Nothing to Be Afraid of (Puffin Books)
Nothing to be afraid of
(28,000語 YL:5.0)

Antheaは従兄弟の男の子Robinを連れて公園に行った。Antheaは内気で無口なRobinに向かっていろんなことを言う。「この小道には豹がいるのよ。」「このマンホールには死の病が封じ込めてあって、フタを開けると死んでしまうのよ…。」それをすっかり信じこんでしまったRobinは…。

ちょっと奇妙なテイストの物語10編のオムニバスです。怪奇現象が起こったりするわけではありませんが、正気と狂気の狭間にある人達を描いたという感じです。読んでる間はあんまり面白くなくても、オチで「ああ、なるほど」と思わせる落語のような(笑)話もありました。10編の中には面白いもの、そうでないものもあり、平均すると及第点といったところでしょうか。語彙はちょっと難易度高めのような気がしました。

評価:★★★

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2006.09.10

500万語通過!1000万語への折り返しです。

"The Garden Party and Other Stories"で多読500万語を通過しましたので、経過報告させて頂きます。

続きを読む "500万語通過!1000万語への折り返しです。"

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2006.09.09

The Garden Party and Other Stories
(Oxford Bookworms Stage 5)

Garden Party and Other Stories level 5 (Oxford Bookworms Library)
The Garden Party and Other Stories
(22,514語 YL:4.5)

今日はガーデンパーティの日。これから楽しい一日が始まる。Lauraはわくわくしながらパーティの準備をする。他の大勢の人たちも皆生き生きと準備をしていた。そんな中、近所に住む貧しい家の男が事故にあってしまい…。

表題の"The Garden Party"を含むショートストーリー9編のオムニバスです。どれも人々の心の微妙な動きを描写しています。なかなか評するのが難しいですが、大人の味わいってやつでしょうかね。いろいろ期待していたことがあって、でもいざフタを開けて見ると「こんなはずじゃなかった」と思わされるような事実に出会い、それでもそれをそれなりに受け入れて人生を歩んでいく人々の姿を描いている物語が多いような気がします。

結構この本は好き嫌いが激しく分かれる類のものだと思います。僕はそれなりに楽しむことができました。

評価:★★★

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2006.09.07

King's Ransom
(Oxford Bookworms Stage 5)

The King's Ransom (Oxford Bookworms Library)
King's Ransom
(21,000語 YL:4.5)

Douglas Kingはシューズメーカーに長年勤務し、ライバル達を蹴散らして重要なポストに就いていた。彼がビジネスにおける人生最大の賭けに出ていたちょうどそのとき、彼のもとに脅迫電話が。「お前の息子を預かった。無事に帰して欲しければ金を用意しろ。」しかし、誘拐犯が誘拐したのは、Kingの息子ではなく、彼の運転手の息子Jeffだった…。

自分の家族でもない他人の息子の身代金を要求されて苦悩するKingの姿がなかなか見ものです。しかも、身代金を払うことはできるが、もしそうすればビジネスに失敗し、一家で路頭に迷うはめになるので、彼は自分と家族の人生と、他人の息子の命を天秤にかけることになります。こういうギリギリの選択の場面に立たされたとき、その人の本性が現れるということをうまく描写していると思います。

アメコミ調の挿絵もなかなか雰囲気が出ていていいです。

評価:★★★★

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2006.09.06

The Grim Grotto

The Grim Grotto (Series of Unfortunate Events)
The Grim Grotto
(48,526語 YL:6.0)

激しい濁流に飲み込まれそうになったBaudelaire 3きょうだいは、潜水艦Queequeg号に救われる。なんと潜水艦の艦長Widdersinsは3人のことを探していたという。そして3人は、海中の洞窟に「ある物」を探しに行くが、そこで末っ子Sunnyに大変な事態が発生する。Olaf伯爵以外にも様々な困難や秘密が待ち受ける海中で、3人は不幸の連鎖を断ち切ることができるのだろうか…?

A Series of Unfortunate Eventsの第11巻です。海中というちょと変わった舞台設定もあり、今までにも増して謎めいた雰囲気になっています。また、「謎が謎を呼び、全く解決されないままどんどん謎が増えていくので、ますます続きが読みたくなってしまう」という展開は相変わらずで、いい意味でイライラさせられます。このシリーズは全13巻ということなのですが、あと2巻で収拾がつくのでしょうか?気になってしょうがないです。

また、巻が進むごとに、3人の絆がますます強くなっているような気がします。この絆があれば、この先どんな困難でも乗り越えていけると思います。最終的にはハッピーエンドになって欲しいと思うのですが、作者が「幸せな結末なんて載ってないから読むな読むな読むな読むなそんなにハッピーエンドが欲しいんだったら他の本を読め読め読め」って言ってるから、最後の最後も不幸で終わっちゃうのかなぁ…。

評価:★★★★★

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2006.09.02

The Birds
(Penguin Readers Level 2)

The Birds (Penguin Readers
The Birds
(6,300語 YL:2.4)

Natはその年の冬、鳥の数が異常に多いことに気がついた。そして、飢えた鳥達は、Natの家を襲い始めた。鋭いクチバシで窓をつつき、屋根を踏み荒らし、けたたましく鳴く無数の鳥達。果たして、Nat一家の運命は…?

恐怖を伝えようというのは分かるのですが、いかんせん物語に起伏がありません。「起→承→転→結」というよりは、「鳥→鳥→鳥→鳥」ですね。一本調子。エンディングも「なんじゃこりゃあ」という感じ。

同じ作者の"Rebecca"がすごーく面白かっただけに、残念。

評価:★★

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2006.09.01

Bunnicula

Bunnicula
Bunnicula
(14,194語 YL:3.5)

私の名前はHarold。Monroe家で飼われている犬である。ある日、Monroe一家は映画を見に行き、そこで何故かウサギを拾ってきた。たまたま映画館で「ドラキュラ」を上映していたため、それにちなんで彼は"Bunnicula"と名付けられた。でも、同居している猫のChesterは、ある日こんなことを言い始めた。「あいつは…吸血鬼だ。早くやっつけないと危ないぞ!」

短い話ですが、とても面白かったです。「ウサギが吸血鬼」というヘッポコな設定で、もう「勝負あり」ですね。「ぼのぼののお父さんが、実は死神ラッコだった」というのと同じくらいのインパクトがありますな。こういうの好きです。また、あらゆる手段でBunniculaを倒そうとする猫のChesterの奮闘ぶり&空回りぶりや、マイペースな感じのHaroldとの対比がいいですね。B級ホラー映画を彷彿とさせるような、チープなテイストの表紙の絵柄もgoodです。

評価:★★★★

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