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2007.07.31

Whiskey on the Rocks
(A Whiskey Mattimoe Mystery: Vol.1)


Whiskey on the Rocks
(64,780語 YL:8.0)

半年前に最愛の夫を交通事故で失ったWhiskey Mattimoeは、不動産屋を経営していた。そんな彼女が扱う物件で殺人事件が発生する。そして被害者の遺体は、被害者の兄を名乗る人物とともに忽然と消える。さらに、魔の手はWhiskey自身へと迫ってくる。事件のカギを握るのは、Whiskeyの夫が彼女に遺した、彼女の言うことを全く聞かないアフガンハウンド…?

素人探偵が事件の解決に東奔西走する、いわゆる「コージーミステリ」ですね。主人公のWhiskeyをはじめ、登場人物はなかなか個性的で面白いです。ただ、その登場人物とその人間関係がちょっと複雑すぎですね。たとえば、事故で他界したWhiskeyの夫Leoの前の妻は別の男と結婚するのだが、Leoの娘と住んでいるとか、XXXを名乗る人物の正体はYYYで、本物のXXXの居場所はZZZで…などです。これだけ関係が複雑にからみあっていると、事件の全容を把握するのがなかなか難しいです。もうちょっとシンプルでもよかったかな、と思います。

評価:★★★

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2007.07.30

もしもファンタジーな感じのTOEICがあったら

今日、会社でTOEIC IPテストを受けてきました。前回までは旧形式でしたが、今回初めて新形式のテストを受けました。リスニングでは、米国・英国・カナダ・オーストラリアの発音で出題されるということなのですが、それぞれの発音の違いはあまりよく分かりませんでした。リーディングでは、苦手に感じていた「間違い探し問題」が無くなって嬉しいかぎり。Part 7の長文読解では、e-mailを使った文書が多数出題されました。現在のビジネスコミュニケーションにおいては、e-mailはやはり必要不可欠ということなのでしょうね。

TOEICはInternational communicationのためのテストということですが、内容がビジネスコミュニケーション一辺倒で、普段から児童書をいくつも読んでいる立場からすると、想定している場面や語彙などがとても限定されているように感じます。もし、ビジネス英語じゃなくて、児童書によく出てくる「ファンタジー英語」がたくさんTOEICに出てきたら面白いでしょうね。例えば、以下のような感じで。

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(音声)
Ron: Hi, Harry. Next class is beginning soon. Are you ready?
Harry: Of course, Ron. Here I have my caldron, quill, a tail of newt... Oh! I left my parchment in my room!
Ron: You must go back and take it soon. If we are late, Professor Snape will be angry.

(問題)
What did Harry forget to bring?

A. Reptile
B. Cooking equipment
C. Paper
D. Pen
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以下、訳です。

(音声)
ロン:ハリイ殿、次の授業が始まるでござる。準備はよろしいかな?
ハリイ:もちろんでござる、ロン殿。大釜、羽ペン、イモリのシッポ…しまった!羊皮紙を部屋に忘れたでござる!
ロン:すぐに取りに行った方がよいでござるぞ。遅れたらスネイプ教授がご立腹でござる。

(問題)
ハリーが忘れたのは何?
A. 爬虫類
B. 料理道具
C. 紙
D. ペン
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TOEICがこんな感じの問題ばっかりだったら、英語圏の子供たちは満点でも、日本のビジネスパーソンは全滅に近いでしょうね(笑)。

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2007.07.26

The Prince and the Firebird


The Prince and the Firebird
(1,000語 YL:1.0)

昔々、王子Ivanが愛するVassilissaは、不死身の魔法使いKastcheiに捕らえられてしまいました。彼女を救うべく、Kastcheiが住む森に入ったIvanが見つけたのは、美しい火の鳥でした…。

バレエの脚本として書かれたものだそうで、「昔々…」で始まって「めでたしめでたし」で終わる典型的な物語です。イラストはなかなか美しいのですが、ストーリーがちょっとストレートすぎて面白みに欠けます。とは言っても、100年近くも前(1910年)に書かれた物語に対して今さらケチをつけるのは、ちょっと酷かもしれませんね。

評価:★★

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2007.07.25

Uninvited Ghosts and Other Stories


Uninvited Ghosts and Other Stories
(22,000語 YL:4.0)

古い屋敷に引っ越してきたBrown一家。その子供のMarianとSimonがベッドに入って眠りにつこうとしたとき、老婆の幽霊が現れた。Simonは叫んだ。「出て行けよ!ここは僕たちの家だぞ!」しかし幽霊は答えた。「何を言っておる。ここはワシの家じゃ。もう百年以上もここにおる。それにワシは子供が大好きでのう…。」

表題の"Uninvited Ghosts"を含む短編8作です。それぞれの話に幽霊、火星人、ドラゴン等、未知の者達が現れます。一見するとホラーのようにも思われますが、どの話も怖いというよりはユーモアあふれる感じで、ほのぼの感すら漂ってきます。例えば、冒頭の物語"A Martian Comes to Stay"では、礼儀正しい火星人が、宇宙船を直すためにスパナを借りにくるのですが、その火星人のイラストがかわいいカエルのようでとても微笑ましいです。

どの話も独創的かつユーモラスでとても楽しめたのですが、amazonなんかで調べてみると絶版のようですね。うーん、残念!

評価:★★★★

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2007.07.22

The Harlequin Tea Set and Other Stories


The Harlequin Tea Set and Other Stories
(57,834語 YL:8.0)

Mr.Satterthwaiteは、パーティに行く途中で車が故障してしまい、修理の間にThe Harlequin Cafeという店に立ち寄った。美しいティーセットを売っているその店は、彼の旧友Mr.Harley Quinを思い出させる所だった。そして2人は、その店で再会を果たすことになる…。

表題の"The Harlequin Tea Set"を含む、アガサ・クリスティーの短編9本です。クリスティーらしいミステリも含まれていますが、人間の狂気や、男と女の間の複雑な感情などを描いたちょっとホラーな感じの作品が多いですね。個人的には、博物館に通う内気な男を描いた"The Lonely God"という作品が面白かったです。

英語は文章の構成、単語ともにかなり高難易度ですね。「オトナの作品」という感じがします。

評価:★★★

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2007.07.19

The Three Pigs


The Three Pigs
(384語 YL:1.5)

あるところに3匹の子豚がいました。1匹目の豚はワラの家を作ったのですが、そこへオオカミがやってきて言いました。「中に入れてくれないと、家を吹き飛ばしちまうぞ!」オオカミは大きく息を吸って、プーっと息をはき出しました。その勢いがあまりに強かったので、豚は「物語」の外まで吹き飛んでしまいました!!!

絵本の中から飛び出てしまった子豚の絵本です。最初こそ普通の「3匹の子豚」の物語のようですが、後は子豚が絵本の絵の中のオオカミを折り曲げてしまったり、他の物語に入り込んでしまったり、もう支離滅裂でめちゃめちゃですが、そこが面白いです。

なかなかにセンスを感じる「ナンセンス絵本」です。

評価:★★★

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2007.07.17

Baboushka and the Three Kings


Baboushka and the Three Kings
(500語 YL:1.0)

寒い寒い冬の夜、老婆Baboushkaは、暖かい家の中で家事をしていました。そこへ、3人の王様が率いる大行列がやってきました。王様達は言いました。「我々は偉大なる子供が産まれるところへ行く途中じゃ。そなたにも一緒に来てもらいたい。」しかしBaboushkaは、彼らの依頼を断ってしまいました…。

キリストの生誕にまつわるロシアの物語です。主人公の老婆Baboushkaは、後になって毎年「子供」の誕生日になると、プレゼントを持って子供を探し歩いたそうで、我々がクリスマスにサンタクロースを待ちわびるように、ロシアでは子供たちがBaboushkaが来るのを待っていたのだそうです。国によっていろんなクリスマスの話があるのは面白いですね。

評価:★★★

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2007.07.13

Harry Potter and the Prisoner of Azkaban


Harry Potter and the Prisoner of Azkaban
(107,253語 YL:7.5)

Dursley家でのつらい夏休みも終わり、Hogwarts魔法学校での3年目を迎えたHarry。だが、12年前の大虐殺事件の犯人Sirius Blackが、脱出不可能と言われるAzkabanの牢獄から脱出し、Harryの抹殺とVoldemortの復活を狙っているという。Dementorと呼ばれる不気味な者たちに警護されながら、異様な雰囲気の中、新学期が始まった…。

やれ最終巻の発売だ、やれ映画第5弾公開だと世の中が盛り上がっている中、非常にマイペースな感じで(笑)ハリーポッター第3巻でございます。ハリポタシリーズの面白さは多くの人が認めるところなので、今さら褒めてもしょうがないとは思うのですが、褒めます(笑)。

Harry達がHogwartsにたどり着く前から、読んでいるうちにどんどん大きくなってくる「ワクワク感」はどこから出てくるのでしょうか?個人的には「緻密な設定」の存在が大きいと思います。例えば、「ホウキに乗って空を飛ぶ」とか「杖で魔法を使う」というのは、ファンタジーではオーソドックスな設定ですが、ホウキにはそれぞれ(Nimbus 2000とか、Fireboltとかカッコイイ)名前があって、それぞれ性能によって値段が異なるだとか、魔法を使うためには学校に行って、カリキュラムを組んで、各教科の先生から学んで、試験を受けて合格しなきゃいけないなどのディテールが、想像力を膨らませてくれるのだと思います。ストーリー展開も、表層的な情報の裏に真実が散りばめられており、とても計算されていると思います。

10万語を超える児童書は、そうそうお目にかかれませんし、子供が読むにはちょっとボリュームがあるように思いますが、読者をとらえて離さないパワーを持った作品です。世界中の人々に愛されるのも納得です。

ただ、HarryとRonに感化されたのか、はじめは優等生キャラだったHermioneが、だんだんワイルドになっていくのがちょっと心配(笑)。

評価:★★★★★

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2007.07.10

The Golden Goose


The Golden Goose
(997語 YL:1.0)

3兄弟の末っ子は、賢くはないけど優しい子でした。ある日、森でお腹を空かせたおじいさんに食べ物をあげたところ、おじいさんは「そこの木を切ってみなさい」と言いました。言われるままに木を切ったら、なんと中から「金のガチョウ」が出てきました!

知っているようであまり知らなかった「金のガチョウ」の童話の絵本です。絵本によくある「同じことの繰り返し」が何度もありますが、子供はこういうのが楽しいんでしょうね。"Hokety, Pokety, Stickety, Stuck"という、何だか意味が分からないけどリズミカルなフレーズが面白いです。

評価:★★★

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2007.07.05

When the Wind Stops


When the Wind Stops
(549語 YL:1.5)

いっぱい遊んで楽しかった一日が終わり、男の子はベッドに入ります。彼はおやすみを言いにきたお母さんに尋ねます。「どうして一日は終わってしまうの?太陽はどこへ行くの?」「太陽は別の所へ行って、そこが朝になるのよ。」男の子はたずね続けます。「じゃあ、風がやんだら、風はどこへ行くの…?」

おやすみ前の親子の会話を描いた絵本です。楽しかった一日が終わってちょっとさみしい男の子が次々と出す問いに、お母さんがとても優しく答えます。「物事は終わらない。また別の場所で別の形で新しいことがはじまる」と言って子供を安らかな眠りへと誘います。本を読んでいる自分も優しい気持ちになって、ちょっと眠くなってしまうような絵本です。

イラストが紙ではなく、木の板のようなものに描かれており、それがまた独特の暖かい雰囲気を出しています。

評価:★★★

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2007.07.04

Missing Angel Juan
(The Weetzie Bat Books: Vol.4)


Missing Angel Juan
(29,247語 YL:6.0)

L.A.に住むWitch BabyとAngel Juanは恋人同士だったが、AngelがN.Y.に行ってしまい、離れ離れになってしまう。音信不通になったAngelを追いかけてN.Y.へ行ったWitch Babyであったが、どうやってAngelを探してよいものか分からない。そんな彼女の前に現れたのは、育ての親の父親(almost-grandfather)のCharlieの幽霊だった…。

ラブストーリーのようなファンタジーのようなホラーのような物語です。物語の中盤で、Witch BabyがAngelの手がかりを探してN.Y.を右往左往する場面はそうでもないのですが、残り30ページくらいからストーリーががぜん面白くなってきて、物語のテーマも次第に見えてきます。恋愛などの人間関係における、依存とか独占欲とか、そういうものについて考えさせられます。

シリーズものであることを知らずに、いきなり4巻目から読んでしまいましたが、1冊で物語がきちんと完結しているので、問題はありませんでした。ただし、情景や心情の描写における文章はやや難易度が高めで、同じくらいの文章量の他の本と比べたら、読むのがちょっと難しいです。

評価:★★★

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2007.07.03

Sven's Bridge


Sven's Bridge
(520語 YL:1.2)

Svenは、川にかかっている跳ね橋の管理人。人が橋を渡るときは跳ね橋を下ろし、船が川を渡るときは、跳ね橋を上げます。Svenはみんなのために、橋をとても丁寧に管理していたので、みんなから好かれていました。しかしある日、王様の乗った大きな船が通りかかったとき、跳ね橋が上がりきるのを待ちきれなかった王様は、船の大砲で橋を吹き飛ばしてしまいました…。

カラフルで可愛らしい絵柄の絵本です。橋を愛し、みんなのために一生懸命頑張るSvenと、短気で自分勝手な王様との対比が面白いですね。Svenの優しい人柄が、イラストからも伝わってきます。

評価:★★★

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2007.07.02

Break the Surface
(Watching Alice: Vol.1)


Break the Surface
(49,015語 YL:5.0)

過去を捨てるためにマンハッタンの高校に転校してきたTom。他人との接触を避ける彼に、何故かあれこれ話しかけてくる学校中のアイドルAlice。次第に彼女に心を許し始めるTomであったが、ある日突然、Aliceは忽然と姿を消してしまう…。

フロリダの本屋でゲットした1冊。ジャンルとしては、サスペンスに分類されると思うのですが、TomとAliceの双方に「知られたくない過去」がある以外は、表層的には普通の高校生の恋愛の物語のように見えてしまいます。謎が謎のまま、次巻へ持ち越されているところが多々ありますが、次巻以降への伏線だけで読者を惹きつけるのはちょっと難しいような気がします。

また、この物語は「失踪したAliceの情報を集めるために、TomがWebで公開した自分の日誌(Journal)を、出版社が出版した」という設定になっているのですが、その設定も今のところ全く生かされていないように思います。

次巻では、Aliceの視点からの物語になるようなので、ちょっとは謎が解明されることを期待していますが…。

評価:★★★

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