The Hungry Ocean: A Swordboat Captain's Journey
The Hungry Ocean
(73,713語 YL:8.0)
おそらくは、世界でただ一人の「メカジキ漁漁船の女性船長」の航海記です。実体験を綴ったノンフィクションだけあって、そのリアリティが半端じゃないです。悪天候などの大自然の脅威だけでなく、船員の間でのトラブルや、友人でありかつライバルである他の漁船達との駆け引きなど、航海中に起こる様々な問題を生々しく描いています。
我々のように陸地で普通に暮らしている者から見ると、船乗りの人というのはすごいメンタリティを持っていますね。4万ドルもの費用をはたいて、1か月も陸地を離れ、必ず捕まえられる保証など全くない獲物を探し、船の上という閉ざされた空間で、時には命の危険にまでさらされながら、過酷な肉体労働を続ける…。著者も「ただお金のためだけにはとてもやれない仕事」と述べています。それだけ漁船の船員というのは、海や漁に魅せられた人にしか勤まらない仕事なのですね。でもそんな彼らでさえ、船上生活が長く続くと、うんざりして早く帰りたくなってきたりするのですが。
専門用語や難解な表現も多く、英語はかなり難しめで、かなり「飛ばし読み」しましたが、それでも十分楽しめる作品でした。
評価:★★★
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