Harry Potter and the Deathly Hallowsを読んで、Harry Potterシリーズをコンプリートしましたので、感想をまとめておきたいと思います。
1巻から全部読んでみると、やっぱりこのシリーズがNo.1ファンタジーとして多くの人に親しまれているのも分かりますね。そう思う理由はいくつもあって書ききれないのですが、3つ挙げるとすると以下のような感じですね。
1. ストーリー展開・緻密なプロット
児童書とはいえ、ストーリーはかなり大人向けだと思います。登場人物が死んだりして悲しい場面も多いし、正直「本当に子供に受けているのかな?」と思うほどです(実際に「ハリポタファンの小学生」とかには会ったことないし)。で、そんな物語の中にいろいろ伏線が張りめぐらされており、それらが後でパズルのピースのようにぴったりはまっていくのがとても気持ちいいですね。ストーリー展開そのものに「計算された美しさ」を感じます。特に最終巻を読んだ後では、「作者は第1巻を書くときに、この結末をすでに考えていたのではないか?」と思わせるほどです。プロットは有名ミステリと比較しても全くひけをとらない出来だと思います。
2. 緻密な設定と描写
「主人公は両親を亡くして意地悪な親戚の家で暮らす不幸な少年。でもそんな彼が実は魔法使いで大活躍」なんて書くと、多くの児童書にありがちな設定のように思います。でも、魔法使いの学校があり授業科目やテストがあるとか、空飛ぶホウキにも名前や性能や値段があるだとか、ここまでの細かい設定をしている作品はほとんど無いと思います。きっと、物語には出てきていない隠れた設定なんかも、すごくたくさんあるのではないでしょうか。
また、設定だけでなく情景描写も非常に細かいですよね。ストーリーとは全く関係の無いところで、生物でないものが勝手に動いていたりしますし、DragonやTrollなどの不思議なクリーチャー達の姿も綿密に描写されており、想像力をかきたてます。
3. 魅力的なキャラクター達
割と短気な少年Harryは置いといて(笑)、魅力的な登場人物が多いですよね。特に注目したいのは悪役。同級生にDraco、先生にSnape、そして宿敵としてVoldemortという、それぞれ小・中・大というレベルの悪役の配置が見事です。で、物語の中で誰が一番インパクトがあったかと言うと、やっぱりSnape先生ですね。第1巻からHarryを目の敵にするようなイヤな奴という役回りなのですが、魔法を使ってまで彼を陥れようとするわけでもなく、Harryを助ける場面もあるという不思議な存在でした。物語が進むにつれて、彼の物語に占める役割もどんどん大きくなっていきますし、彼の存在がなかったら、きっと物語はすごくつまらないものであったでしょうね。
というわけで、Harry Potterを読みきったのですが、「もっと続けて欲しかったか」と問われると、おそらくは「No」と答えると思います。新しいHarryの冒険にもう会えないのは残念ですが、HogwartsあってのHarryですので、HarryがHogwartsを卒業する年頃の時が、物語のいい終わり時のように思います。今まで充分に楽しんだし、「人気があるのでHarryが中年になる頃までダラダラと続けていったら、どんどんつまらなくなった」なんてことになってほしくないですしね(笑)。
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