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2008.07.27

独学で英検1級:二次試験対策編

というわけで、一次試験対策編に続き、英検1級二次試験対策編です。

でも、一次試験に受かってからいろいろ探したのですが、二次対策用の教材って、あんまり一般の書店なんかでは売ってないんですよね…。でもそれももっともなことで、英検1級二次試験の受験者数は、英検公式サイトによると、年間五千人以下程度。ちなみに2007年度のTOEIC受験者数は160万人超。まっとうな出版社だったら、年間五千冊以下しか売れないことが確定している英検1級二次試験攻略本を出版するよりも、市場規模が320倍のTOEIC対策本を作った方が、明らかに利益につながりますもんね。

というわけで、(語学学校等で先生に習うことなく)独学で英検1級二次対策を行うのは、なかなか難しいと思います。でも、そんな中でもなんとか探して活用した教材は以下のようなものです。

まず、テソーラスハウスという語学学校をネットで探して、そこのオリジナルスピーチサンプル集(スピーチ34編で1,500円)を購入しました。政治、教育、環境、スポーツなど、様々なトピックが1ページに1篇ずつ収録されています。ストーリーの組み立て方や、表現の仕方など、いろいろ参考になるところも多々あるのですが…致命的な欠点が2つ。

まず1つは、明らかなスペルミスが非常に多いこと。テソーラハウス公式サイトでも、このスピーチ集のうち、3篇がサンプルとして紹介されていますが、そこだけでもwhereをwereと書いたり、ourをoutと書いていたりというミスが散見されます。「ハイレベルな英語での会話、読み書きの教育」というのが、テソーラハウス社の企業理念のようですが、「自分のとこの教材さえまともにチェックできてないやんけ」というツッコミを受けても仕方がないと思います。こういう教材におけるミスは、語学学校としてのクオリティに対する信頼を大きく損なう可能性があるので、もし自分がこの会社の社長だったら、今まで印刷した分は全て廃棄して、スペルミスを(全部とは言わないでも、ほとんど)排除したバージョンをユーザに提供すると思います。

もう1つの欠点は、時事ネタが非常に古いこと。「今年、クリントン大統領が…」とか「今年、太田房江氏が初めて女性知事となり…」とか8年近く前のネタなどもあり、教材が長期間見直されていないことをうかがわせます。前述したように、英検1級二次に代表されるスピーチ対策というのは、需要が少ないので費用をかけるわけにはいかないのは分かりますが、時事問題など、トピックの新鮮さが問題となるスピーチ対策において、教材に明らかにout of dateなスピーチをいつまでも掲載しているというのは、少し学校としての「やる気」に疑問を感じてしまいます。

「この教材は英検二次対策の役に立ちましたか?1,500円の価値はありましたか?」という問いに対しては、おそらく「Yes」と答えます。ですが、「この教材は、他の受験者に自信を持ってお勧めできますか?」という問いには、思いっきり「No」と答えるでしょう。特に自分がそうだったのですが、丸暗記すればそのまま二次試験のスピーチに使えるような模範スピーチを探しているような横着な(笑)人にはお勧めできません。あくまで、スペルミスを気にせず、かつ表現を参考にして自分でスピーチを組み立てられる人用の教材ですね。

次はコチラ。


英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング

一次試験対策編でも紹介したのですが、「英検1級スピーキング対策」と銘打っている数少ない書籍ですね。論理的に主張を構成するテクニックだけでなく、多少短めですが、こちらも様々なトピックに対するスピーチ例を多数掲載しています。で、この本が面白いのは、ある与えられたテーマに対して、それに賛成(支持)する時の例と、反対する時の例をどちらも載せていて、それらの例の良いところや悪いところ(主張が弱いところ)を丁寧に説明しています。さらに、それらの例に対する反論例なんかも多数掲載しているので、スピーチとともに質疑応答の場面でも役立つことが多々あると思います。こちらの本は、英検1級二次試験受験者であれば、一度目を通しておいても損はない出来だと思います。

で、スピーチ対策としては、これらのテキストを参考に、自分でいくつかサンプルスピーチを作って、それを自分の声でPCに録音し、iPodに転送してひたすらシャドーイング(音声を聴きながらそのまま喋る)やリテンション(文章の意味の区切り(かたまり)ごとにいったん音声を止めて、そのかたまりをそのまま復唱する)をして口慣らしをしていました。質疑応答については、特に対策はしませんでした。「スピーチさえうまくいけば、なるようになるさ」と思っていたので(笑)。

で、スピーキングの発音対策はこちら。


英語舌のつくり方 ――じつはネイティブはこう発音していた!

ベタベタの「日本語発音」の人向けに、何とかネイティブっぽい発音を分かりやすく説明しようという姿勢がとても好感の持てる発音教材です。ただ問題は、2度目の二次試験の時に実際にこの教材を使ったのですが、1度目の時と発音の採点結果に全く変化がなかったことですかね(笑)。やっぱり、意識しなくてもきちんと発音できるくらいに練習しとかないと、実際の試験では役に立たないかもしれませんね。

その他としては、一次試験対策の時と同様に、PodcastでABC World NewsCNN Student Newsを聴いたり、テレビのNHKニュースを副音声で聴いて、最新のトピックを英語で吸収していました。で、次期的には洞爺湖サミットで大きく取り上げられた環境問題に関するトピックや、オリンピックが近かったので、スポーツに関するトピックが二次試験で出題されるのではないかと予想していたのですが、見事に外して非常に焦りました(笑)。

いかがでしょうか。英検1級を目指す皆様にとって参考となれば幸いです。もちろん、反面教師としてお役に立てて頂いても結構ですよ(笑)。

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