Deal Breaker
(Myron Bolitar Mysteries Vol.1)
Deal Breaker
(83,188語 YL:8.2)
Myronはスポーツ選手のマネジメントを担うエージェント。彼は、クライアントであるフットボーラーのChristianをTitansに売り込もうとしていた。しかしその矢先、ある1冊の雑誌がChristianのもとに届けられる。そこには、1年半前に失踪し、だれもが死んだと思い込んでいたChristianのフィアンセ、Kathyの姿が載っていた…。
スポーツ界を舞台にしたミステリです。キャラクターや舞台設定、プロット、読みやすさ、どれをとっても納得の作品ですね。まず、主人公Myronの経歴がなかなか凝ってます。将来を嘱望されたバスケットボール選手→大怪我で選手生命終焉→FBI捜査官→ロースクール学生→スポーツ選手の代理人、という波乱万丈の人生ですね。彼以外の登場人物もみんな個性的です。個人的には、ものすごく強くて、非合法な武器を使うことも厭わないアウトローな感じのするWin(Myronの相棒)が、すごくいい味出してると思います。
また、彼らが活躍する舞台であるスポーツビジネスの裏側の描き方もドラマチックです。巨額のマネー、陰謀、裏取引、スキャンダル…。スタジアムのスタンドからは見えない角度でスポーツの世界を描いています。
そしてプロット。謎が謎を呼び、どんどん積もり積もっていった謎が頂点に達した時、最後に一気に氷解していく展開はお見事です。ミステリとしてもとてもフェアな作りになってますし、サスペンスドラマとして読んでも十分に楽しめる作品です。
評価:★★★★★
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