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2009.02.02

ユナイテッド戦観戦記

昨日のアーセナル戦に続いて、今日はユナイテッドの試合を見てきました。ユナイテッドといっても、あのマンチェスター・ユナイテッドではありません。もちろん、ジェフユナイテッド市原・千葉でもありません。オックスフォードの地元チーム、「オックスフォード・ユナイテッド」です。

公式サイトによると、オックスフォード・ユナイテッドFCの前身であるヘディントン・ユナイテッドFCの創設はなんと1893年!100年以上の歴史を誇るクラブです。でも成績は芳しくなく、下位リーグを上がったり下がったりで、現在は5部に相当するリーグに属しているのだそうです。かつては、Jリーグ初代得点王のラモン・ディアス氏が監督として指揮を執ったこともあるそうです。今回、せっかくオックスフォードにいるのだからと思い、試合を見に行くことにしました。

試合会場へはバスで行ったのですが、行きかたがあまりよく分からなかったので、バスの中でタオルマフラーをしたお年寄りの男性の横に座り、いろいろ尋ねてみました。その男性は、30年前にオックスフォードに越してきてから、ずっとユナイテッドのサポーターで、シーズンチケットを持っていました。で、自分がスタジアムに行くのが初めてだと聞くと、親切にバス停からスタジアムまで案内してくれました。

こちらがホームスタジアムのKassam Stadium。収容人数は12,500人です。

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で、男性と分かれてチケット売り場(Box Office)に行くと、結構な列が!

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しかもチケット高い(笑)。

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自分はホームスタンド下側(South Stand Lower)のチケットを18ポンドで購入しました。こんな下位リーグの、選手の名前も知らないチームのゲームを2,000円以上も出して観戦するなんて、我ながら物好きだとちょっとあきれる(笑)。

スタジアムはこんな感じ。

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屋根はとってつけたようなプレハブ。お世辞にも豪華とは言いがたいですが、それでも芝はとても綺麗で、舞台としては充分。でも、アウェイゴール裏に座席が無いのはどうかと思う。

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試合中も、ゴールをはずれたシュートが壁を越えて、隣のスーパーの駐車場にポンポン飛んでいきました(笑)。

それでもサポーターはさすがイングランド。スタジアムの屋根に反響する歌声は、本場を感じさせます。

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ちなみに、チームマスコットは当然のように牛。

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名古屋と言えば鯱というのと同じくらいのベタベタ加減が素敵(笑)。

そんなこんなでオックスフォード対ルースの試合開始。

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前半開始してしばらくした後、オックスフォードのディフェンスが空いたところに、相手のミドルシュートを決められ、先制を許す。しかしその後、オックスフォードもフリーキックから1点を返す。狂喜するサポーター。"Yellows! Yellows!"の声が響く(Yellowsはユナイテッドの愛称)。1-1のまま前半を折り返す。

後半も一進一退の攻防が続く。チャンスを作れないオックスフォードに対して、"Come on you! Yellows!"、"Crap!"、"Rubbish!"などの声が響く。

そんな中、オックスフォードは相手にペナルティキックを与えてしまう。審判に対する大ブーイング。"Ref! What are you looking!"

しかしオックスフォードのゴールキーパーがぎりぎりのところでPKをセーブすると、サポーターは大興奮!"Yellows! Yellows! Yellows!!!"

そしてついに、オックスフォードがコーナーキックから逆転弾を決める!まさにクライマックス!!

残り10分、コーナーポスト付近であからさまに時間稼ぎをするオックスフォードの選手にイライラした相手選手が暴力行為で一発退場。お別れの歌が始まる。

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そして試合終了。みんなで勝利の余韻をじっくり味わう…かと思いきや、みんな試合終了の笛とともにそそくさとスタジアムを後にする。やっぱり早くバスに乗って帰りたいよね。寒いし。

もちろん試合のレベルの差はありますが、昨日見たスコアレスドローのプレミアの試合よりは、すごくドラマのたくさんあった試合でした。先制されても、PKを与えても、ぐっと辛抱してセットプレーからきっちり2点を取ったオックスフォードの試合運びは見事だったと思います。

親切に道案内をしてくれたおじいさん、よかったね。あなたの愛するYellowsは、今日とても頑張っていたね。

ちなみにこの試合の観客は4,500人。これってなかなかすごいことだと思います。日本の5部リーグのチームで、2,000円以上の入場料を取りながら、4,000人以上のサポーターを集められるチームはおそらく無いでしょう。

数万人の観客や世界中の視聴者を引きつけるプレミアリーグがあるのは、そのはるか下の方に、100年の歴史を持つ地方の小さなクラブと、それをずっと支え続ける熱心なサポーターがいるからなんですね。日本の場合は、マンUやバルサなど世界の超一流クラブのユニホームを着ている子供たちはいっぱいいるけど、地方の弱小セミプロチームのユニホームを誇らしげに着て、そのチームを毎週応援するのを楽しみにしている子供はあまりいないのではないでしょうか。

何となく感じるのは、イングランドは長ーい歴史をかけて、ボトムアップにレベルの高い世界を築き上げていったのに対し、日本はJリーグという頂点を先に作ってしまったために、底辺の方がまだまだしっかりしていないという感じのような気がします。

でも、進化の仕方は違っていても、長い歴史を経て、日本もイングランドのような誰もが地元でフットボールを楽しめる環境になってくれればいいなぁ、と思いました。

そんな感じで、イングランドフットボールの深さに少し触れた気分になった週末でした。18ポンド、払った価値は充分ありました。

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ちなみに、オックスフォードにはオックスフォード・シティーFCというクラブもあり、そちらは7部所属だそうです。自分が生きている間に、プレミアリーグで「オックスフォードダービー」が実現する日は…多分来ないだろうな(笑)。

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