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2009.06.12

A Night To Remember


A Night To Remember
(43,415語 YL:8.0)

豪華客船タイタニック号の沈没の様子を描いたノンフィクションです。乗客や船員など、多くの人の証言をもとに、起こった出来事を詳細に述べています。もちろん、証言が全て正しいとは限らないので、幾分かの推量が含まれているようです。

タイタニック号が沈没する際には、「女性や子供を優先して救命ボートに乗せる」と言っておきながら、実際には上級船室の乗客が優先されたようですね。3等客室の乗客は、老若男女を問わず多くの方が命を落としたようです。また、女装して救命ボートに乗って助かる男性がいたりだとか、定員を大幅に下回り、まだ人が乗れるスペースがある救命ボートが、溺れている人の救出に向かわなかったり…。文字通り「沈みゆく船」の上で繰り広げられる「命のかけひき」の様子がとても生々しく描かれています。

タイタニックの沈没には多くの理由があると思いますが、やっぱり一番の原因は「人間の過信」にあったのではないかと思います。「神でさえ沈めることができない」と称された船は、十分な救命ボートを積まずに出向し、処女航海で沈んでしまいました。当然のように「タイタニック号の沈没は、うぬぼれた人間たちへの神の戒めだ」と叫ぶ宗教関係者もいたそうです。

この事件については、今も多くの謎が残っているそうです。例えば、これだけ大きな事件にもかかわらず、「犠牲者の正確な数」は分かっていないというのは驚きでした。つい最近、タイタニック号の最後の乗客の方が亡くなったということで、本当の意味でこの事件の真相を知る人は誰もいなくなってしまったということのようですね。

評価:★★★★

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