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2009.06.29

Joseph Had a Little Overcoat


Joseph Had a Little Overcoat
(150語 YL:1.0)

Josephの小さなコートは古くなってボロボロ。そこでJosephはコートからジャケットを作りました。今度はそのジャケットがボロボロになって、ジャケットからベストを作りました。だけど、そのジャケットもボロボロになって…。

Josephは服がボロボロになってもすぐに捨てたりせずに、使えるところをしつこく使って新しいものを作ります。MOTTAINAIを体現する、ナイスリサイクルオヤジですね(笑)。

本に穴が開いていて、実際に前のページのコートの一部が次のページのジャケットになっているところが面白いですね。色使いもカラフルで楽しげです。子供の読み聞かせ用にぴったりかも。

評価:★★★

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2009.06.26

The Friday Night Knitting Club


The Friday Night Knitting Club
(130,000語 YL:8.0)

シングルマザーのGeorgiaは、マンハッタンで編み物店を営んでいた。そこではいつしか友人たちが集まり、金曜日の夜に"Friday Knitting Club"という会が催されるようになった。Georgiaに店を開くように勧めたAnitaや、従業員のPeri、そしてGeorgiaの一人娘Dakota達と順調にビジネスをしていたGeorgiaであったが、彼女の前に突然現れたのは、彼女と娘を捨てて逃げた男Jamesと、昔彼女をひどく裏切った、元親友のLucieだった…。

ニューヨークの女性達の生き方を描いたヒューマンドラマです。「ニューヨーク」と「編み物」という、最先端と伝統というか、正反対のイメージがあるものの組み合わせがユニークです。お金さえ出せば良いものが何でも買えるような大都市で、わざわざ手間暇かけて世界で1つだけのものを編み上げる。それはひとえに愛情あってのこと。

登場する女性達は、みんなそれぞれ悩みを抱えています。恋愛、家族、仕事…。そんな彼女達の人生を、編み物を通して描いているところが面白いですね。編み物も人生も同じことの繰り返し。着実に一歩ずつ進んでいくだけ。うまくいかないことだってある。でも一生懸命愛情を込めて編み上げたものは、とても素晴らしいもの…。

個人的にはこういうテーマがしっかり伝わってくる作品は好みです。決してハッピーエンドではありませんが、読後感のさわやかな作品です。

評価:★★★★

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2009.06.21

Knuffle Bunny


Knuffle Bunny
(189語 YL:1.0)

Trixieは、お手伝いをします。お父さんと一緒にコインランドリーへ洗濯物を持っていきます。洗濯物を洗濯機に入れて家に帰る途中、Trixieは気がつきました。手に持っていたはずの、お気に入りのウサギさんのぬいぐるみが無いのです…。

まだ言葉のしゃべれない女の子Trixieが主人公ですが、とにかく彼女の表情が豊かで楽しいです。ウサギがいないことをお父さんに伝えようとする姿からは、一生懸命な気持ちがとても良く伝わってきます。

挿絵の背景は全てセピア調の写真で、その上にカラフルな人物の絵を重ねて描いています。とてもオシャレで、さらに温かみも感じられる絵柄ですね。

評価:★★★

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2009.06.17

12年目の真実 マイアミの奇跡を演出した男


12年目の真実 マイアミの奇跡を演出した男

アトランタ五輪サッカー日本代表キャプテン前園真聖の選手生活を綴ったドキュメンタリーです。

彼はオリンピックでブラジルを破り、「マイアミの奇跡」を演出したのですが、その後スペインへの移籍が失敗し、高額でヴェルディに移籍した後、国内外のチームを転々とします。そして将来を嘱望された選手は、後に「オリンピックの頃がピークだった」と言われるようになります。

所属チーム、横浜フリューゲルスを離れたことが、彼の転落の始まりであったことは、誰もが認めるところだと思うのですが、そこでの一番の過ちは、「自分の市場価値を適切に評価できなかった」ことと「移籍できなかった理由を他人に求めた」ということにあったと思います。

スペインのチームからオファーがあった時、フリューゲルスが満額の移籍金(3.5億円)を要求したため破談になり、チームに不信感を抱いた前園はヴェルディへ移籍します。ですが、ここで「チームの連中が俺をディスカウントしなかったから破談になった。あいつらのせいだ」と言わずに、「3.5億円で買ってもらえなかったのは、まだ自分にそれだけの値打ちが無いからだ。頑張って10億でも欲しいと言われる選手になってやる」と言って与えられた場所でアピールするべきであったように思います。決して強くはないベルマーレに所属していた中田英寿は、ワールドカップを思いっきりアピールの場として活用し、自分の価値を世界に示してからイタリアへ渡りました。中田と比較してみると、やはり前園の場合は「自分の市場価値を上げること」と「さらに上を目指すために環境を変えること」の順序が逆だったように思えてなりません。って、過去に起こったことを部外者が論評するのは簡単ですけどね…。

著者の戸塚さんの文章は、Number誌でも時々読んだことがあって、読みやすいとは思うのですが、ちょっとスラスラし過ぎている感があるので、もう少し刺激があってもよいと思います。金子達仁氏や木村元彦氏ほどの毒はなくていいですけど(笑)。どうでもいいけどこの二人を同列に並べたら、双方から怒られそう。「アイツと一緒にするな」って(笑)。

評価:★★★

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2009.06.14

Gerald McBoing Boing


Gerald McBoing Boing
(476語 YL:1.0)

男の子Geraldは2歳になった。そろそろしゃべり始める歳だけど、彼の口から出てきたのは…「ぼよんぼよん」。医者に見せても原因は分からず、「ぼよんぼよん…どかーん!」

いろんな音を出す男の子Geraldのお話です。Geraldの口からは、"Boing Boing"以外にも英語のいろんな擬音が出てきて面白いですね。途中少しいじめられたりしてさみしい場面もありますけど、無邪気なGeraldの表情がとても可愛いです。

評価:★★★

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2009.06.12

A Night To Remember


A Night To Remember
(43,415語 YL:8.0)

豪華客船タイタニック号の沈没の様子を描いたノンフィクションです。乗客や船員など、多くの人の証言をもとに、起こった出来事を詳細に述べています。もちろん、証言が全て正しいとは限らないので、幾分かの推量が含まれているようです。

タイタニック号が沈没する際には、「女性や子供を優先して救命ボートに乗せる」と言っておきながら、実際には上級船室の乗客が優先されたようですね。3等客室の乗客は、老若男女を問わず多くの方が命を落としたようです。また、女装して救命ボートに乗って助かる男性がいたりだとか、定員を大幅に下回り、まだ人が乗れるスペースがある救命ボートが、溺れている人の救出に向かわなかったり…。文字通り「沈みゆく船」の上で繰り広げられる「命のかけひき」の様子がとても生々しく描かれています。

タイタニックの沈没には多くの理由があると思いますが、やっぱり一番の原因は「人間の過信」にあったのではないかと思います。「神でさえ沈めることができない」と称された船は、十分な救命ボートを積まずに出向し、処女航海で沈んでしまいました。当然のように「タイタニック号の沈没は、うぬぼれた人間たちへの神の戒めだ」と叫ぶ宗教関係者もいたそうです。

この事件については、今も多くの謎が残っているそうです。例えば、これだけ大きな事件にもかかわらず、「犠牲者の正確な数」は分かっていないというのは驚きでした。つい最近、タイタニック号の最後の乗客の方が亡くなったということで、本当の意味でこの事件の真相を知る人は誰もいなくなってしまったということのようですね。

評価:★★★★

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2009.06.08

BONES (vol.1)


BONES (vol.1)

ワシントンのJeffersonian Instituteに勤めるDr.Temperance Brennanは、法人類学者(forensic anthropologist)で骨の専門家。元スナイパーでFBI特別捜査官のBooth刑事は、彼女に墓地近くの池で発見された白骨死体の身元特定を依頼する。するとDr.Brennanは、被害者の年齢、性別、そして「テニスプレーヤーだった」という事実を即座に特定する…。

法人類学者Dr.BrennanとFBI特別捜査官Boothのが難事件を解決するクライム・サスペンスです。ストーリーの都合上、事故現場や人骨などショッキングなシーンが多いので、人により好みが分かれると思いますが、個人的には緻密なプロットや描写がとても気に入っています。

また、キャラクターも非常に個性的でいいです。科学的、客観的な証拠(scientific evidence)を重視するBrennanと、刑事として培ってきた経験に基づく直感で攻めるBoothというコンビは、一見相反するようで、お互いが補完し合う絶妙な関係ですね。美人で賢くて強いけど世間に疎いBrennanに対して、いろいろアドバイス(おせっかい?)をする同僚のAngelaもいい味出してます。

自分は英語字幕で観ているのですが、専門用語が多く、英語の難易度はかなり高いですね。事前に日本語字幕(もしくは吹き替え)で観た方が良かったかも。

評価:★★★★

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2009.06.04

Snakehead


Snakehead
(70,000語 YL:9.0)

人間の母Danaeと、全能の神Zeusとの間に生まれたPerseusは、旅先で美しい女性Andromedaに出会い、互いに強く惹かれあう。しかし彼女は、海神Poseidonの怒りを鎮めるための生贄になる運命だった。そしてDanaeを我が物にしようとたくらむ暴君Polydectesは、Perseusを亡き者にすべく、彼に命じた。「見る者を石に変えてしまうというMedusaの首を取って来い。」大切な人々の運命を一身に背負い、Perseusは旅に出る。女神Athiniの盾とHermesの靴を携えて…。

ギリシア神話のPerseusの戦いの物語です。英語の難易度はかなり高いですが、とてもドラマチックな物語で、楽しく読めました。主人公のPerseusを、恐れを知らぬ勇猛果敢な戦士としてではなく、一人の悩める青年として描いたところがポイント高いですね。恐ろしい魔物Medusaが、神の怒りをかったというだけの罪の無い美しい女性だったというのを聞いて、Medusaの首を取ることは、人殺しをすることになるのではないかと悩んだりします。それでいて、いざという時にはすごい意思の強さを見せます。生贄になるAndromedaのことを想った時の言葉がスゴイです。"I was born to save her."…なかなか言える台詞じゃありませんね。

それにしても、ギリシア神話の神々はいつ見ても個性的で面白いですね。彼らは完璧な存在ではなく、ケンカしたり浮気したり、ついカッとなって過ちを犯したりします。彼ら神々がとても「人間らしい」ところが、ギリシア神話の魅力なのでしょうね。

評価:★★★★

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