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2009.07.15

Peony in Love


Peony in Love
(105,000語 YL:9.0)

王朝が明から清へと移った17世紀の激動の中国。外界から隔離されて育てられた16歳のPeonyは、彼女の家に招かれていた詩人のRenに恋をする。しかしPeonyには親に決められた婚約者がいた。Renへの募る想いを、歌劇"The Peony Pavilion"の本の余白に書きつづるPeonyは寝食を忘れ、次第にやつれていった。そして、婚約者が実はRenだと知った幸せの絶頂の直後、彼女は息をひきとってしまう…。

女性達の生死を超えた愛と、詩文への情熱を描いた物語です。主人公のPeonyは、最初の方は「Renがスキスキ」状態で、箱入りお嬢様のナヨナヨした恋愛物語かと思いましたが、意外や意外、彼女は死後に外の世界に出て、多くの真実を知ることになります。革命の最中での残虐な行為や、美談の裏に隠された醜い真実、そして死者にすら向けられる嫉妬や憎悪…。さらに適切に埋葬されずに幽霊となったPeonyは、苦難の日々を送ります。そんな中でも彼女はRenを愛し続け、彼を助けます。

夫を立てて自分はおとなしくしているのが良き妻とされた時代においても、多くの女性達が自分たちの気持ちを表そうと、文章を綴ったようですね。それこそ「命を削ってまで」筆を取り続ける彼女達の姿には、圧倒されるものがあります。

第一印象とは裏腹に、重厚でとても読みごたえのある作品でした。ちなみに、この物語の主人公Peonyは、実在した人物だそうです。

評価:★★★★

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