The Cry of the Icemark
(The Icemark Chronicles #1)
The Cry of the Icemark
(135,565語 YL:8.0)
北の小国Icemarkに南のPolypontian帝国が侵攻。Icemarkの王Redroughtは自ら戦い、国民を逃がすための時間を稼ぐが、その戦いで命を落としてしまう。そしてRedroughtの娘Thirrinが14歳で王のあとを継ぎ、Icemarkを統べることになる。彼女はIcemarkを守るため、長年敵対してきた狼族やヴァンパイア達との同盟を考える。そして、彼らを説得するために魔法使いの少年Oskanらとともに、さらに北へと向かう…。
小国Icemarkをめぐる戦いを描いたファンタジーです。雪深い北国が舞台で、雰囲気は英国ファンタジーの王道という感じですね。若干14歳で国の運命を背負わされたThirrinは、戦の訓練は大好きだけど、男の子と二人きりになっただけでドキドキしたりするシャイな女の子で、本物の戦では恐れを感じたりします。でも、それを王女としての威厳や誇りという仮面で隠して、国民のために自分の役割を全うしようとする姿はすごく立派ですね。
敵の将軍Scipio Bellorumが理論的で冷たく、残忍な男であるのに対し、王女Thirrinは狼男やヴァンパイアなど「常識ではありえない」者達と一緒に敵に対抗しようとします。強大な兵力に対して「一発逆転」的な発想で対抗するというのは、ストーリーとしてはありがちかもしれません。でも、それを成し遂げる過程で見せるThirrinの意思の強さや外交手腕などは非常に見ごたえがあります。緻密に描かれた戦闘シーンも迫力があり、映画を見ているような気分で楽しめる作品です。
評価:★★★★
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