Shanghai Girls
Shanghai Girls
(140,000語 YL:9.0)
若く美しい姉妹PearlとMayは、上海での自由な生活を満喫していた。しかし、父親が賭博で全てを失い、二人は借金のかたとして、知らない男達の結婚を決められる。さらに中国へ日本軍が攻撃を開始。姉妹は命懸けで彼女達の夫が住むアメリカへ逃げ延びるが、今度は中国がアメリカの敵になり、彼女達中国人は大きな差別や恐怖にさらされる…。
戦時の過酷な時代を生き抜く二人の姉妹の絆を描いた物語です。雰囲気が"Peony in Love"に似ていると思ったら、同じ著者の作品でした。
日本軍の攻撃、女性に対する差別、中国人に対する偏見や差別、家族の病気や死別など、姉妹にはありとあらゆる困難が立ち向かいます。でも、つらい時に互いに助け合い、そして反発し合いながらも二人は前に進んでいき、二人の絆はどんどん深まっていきます。「親は死に、娘は結婚して家を出る。でも姉妹は一生変わらない」という表現が、その絆の強さを物語っています。彼女達の女として、妻として、そして母親としての「強さ」みたいなものが、作品全体から伝わってきます。
個人的には、干支と性格を関連付けるという考えが興味深かったですね。辰年の姉Pearlは、何者にも負けない頑な決意を持ち、未年の妹Mayは誰からも愛される性格。Pearlの夫Samは丑年で、荷車を引く牛のように家族の苦労を一身に背負い、娘のJoyは衝動を抑えきれない寅年などです。もちろんこれらはただの迷信でしょうけど、作品中では登場人物の特徴を端的に表すのにとても役立っていると思います。
評価:★★★★
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