Not a Penny More, Not a Penny Less
Not a Penny More, Not a Penny Less
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オックスフォードの教授Stephen、外科医のRobin、画商のJean-Pierre、そしてJames伯爵。彼らは大富豪Harveyの罠にかかり、株取引で合計100万ドルを奪われる。Stephenは3人の被害者に呼びかけ、100万ドル(+諸経費)を奪い返そうと言う。そして各自が綿密な計画を立て、それぞれの専門知識を生かしてHarveyを騙しにかかる…。
詐欺の被害者が、加害者に気づかれないように奪われたお金を取り戻すという構図が面白いですね。Stephen達は事前に綿密な準備をして計画を実行するのですが、ターゲットであるHarveyの計画外の行動にうろたえて、なんとか切り抜ける場面が面白いですね。結局物事を成功させるには、綿密な計画に加えて臨機応変に対応する柔軟さが必要ということでしょうか。
登場人物も性格付けがしっかりしており、舞台もウインブルドンやオックスフォード、そして競馬場など非常に多彩で楽しめます。最初は「犯罪と復讐」を扱う真面目なサスペンスのように思いましたが、意外にユーモアにあふれる、ちょっと楽しげな雰囲気の作品でした。特に最後の1ページのオチが秀逸です。全く予想しない結末でした。
評価:★★★★
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