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2010.01.27

Open Season


Open Season
(93,052語 YL:6.5)

真面目で地味な図書館司書のDaisyは、34歳の誕生日を迎えた。彼女はぱっとしない毎日に終止符を打ち、結婚相手を見つけるために、大胆なイメチェンを敢行。髪をブロンドに染め、ピアスの穴も開けて、ファッショナブルなドレスでナイトクラブへ繰り出す。しかしそこで「見てはいけないもの」を見てしまい、命を狙われることに…。

一応、クライムサスペンスに分類される作品だとは思いますが、話が進むにつれて、事件の展開よりも、Daisyと警察署長Jackの関係が大きくクローズアップされてきて、ラブロマンスみたいになってきます。ストーリー的には面白いのでいいんですけど、Daisyの見せ場が後半にちょっと少なくなってくるのがさみしいですね。物語の前半で、Jackの押しの強さにあたふたするDaisyの姿はなかなかかわいいです。

「地味で目立たないアナタでもちゃんとオシャレすれば、ほぉらこんな美人に変身!」みたいな展開は、ちょっと少女マンガチックなファンタジーという感じもしますが、Daisy自身が地味で真面目で嫌味の無いキャラクターなので、好感が持てますね。

誰か、地味な俺様にもイケメンになれる方法を教えて下さい(笑)。

評価:★★★★

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2010.01.20

Lovers and Losers


Lovers and Losers
(68,000語 YL:7.0)

TonyとKatrinaは、かつて一世を風靡したポップデュオ"A Boy and His Diva"のメンバーだった。しかし解散から20年後、落ち目のTonyは、テレビのリアリティ番組で名前を売って、かつての栄光を取り戻そうとしていた。一方のKatrinaは、親友Markの死に直面し、彼の母親Roseと一緒に葬儀の準備や遺品の整理などを行っていた…。

イギリスの音楽界を駆け抜けたデュオを描いた物語です。Tonyは音楽が好きというよりは、ただカッコいいアイドルになりたいという感じで、ヒットチャートの順位ばかり気にして苦悩し、やがて薬物に手を染めます。見ていてあまり楽しいものではないですね。一方のKatrinaの方も、ただTonyについて行っているだけで、物語の展開に身を任せてただ流されていっているだけのように見えます。キャラクターの性格付けがあまり明確になっていない感じがします。

この作品には70年代や80年代に出てきたミュージシャン達の名前が多数登場します。この作品は、おそらくイギリスで青春時代を過ごした人たちが「あの頃は、あんな音楽やファッションが流行っていたなぁ。懐かしいなあ。あの頃は楽しかったなあ」などと言いながら懐古的に楽しむものなのでしょうね。なので、その読者層から外れる人達にとっては、あまり楽しめないように思います。

評価:★★

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2010.01.13

One for the Money
(Stephanie Plum Novels #1)


One for the Money
(80,000語 YL:7.5)

30歳、バツイチ、無職のStephanieは、生活費に困り、従兄弟のVinnieが経営する保釈保証会社(bail bonding company)で働くことにする。Bounty hunterとなり、保証金を積んで保釈されながらも、期日に出頭しない逃亡者を捕まえてくれば、保釈金の10%が手に入るという。しかし今回、1万ドルの収入のためにターゲットとなった逃亡者は、過去にStephanieと関係を持った男、Joeだった…。

即席bounty hunterになったStephanieの活躍を描いた、サスペンス・ミステリです。まず、このbounty hunterという職種がなかなかユニークですね。治安を守る警察や事件を解決するのが仕事の刑事とは違い、勤務先が営利目的の保釈保証会社なので、主人公のStephanieも、正義感や職務に対する義務感などではなく、「生計を立てるため」という単純かつ最も重要な理由により、逃亡者を探すことになります。

また、Stephanieは特別な能力や責任感があるわけでもなく、いわば「ド素人」なので、いろんな場面であたふたする彼女の姿が楽しめます。ちょっとコージーミステリチックなテイストも感じられますね。

ターゲットのJoeのポジションも面白いですね。Stephanieとは以前関係を持った関係で、彼女はJoeを恨んでたり、ちょっと情が残っていたりしていて、二人の間には何とも言えない微妙なバランスがあります。

オチはちょっと普通かな、とも思いますが、ストーリーには山場もたくさん用意してあるので、右往左往するStephanieと一緒にハラハラドキドキを楽しむことができます。

評価:★★★★

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2010.01.12

Flat Stanley: His Original Adventure!


Flat Stanley: His Original Adventure!
(4,235語 YL:2.7)

夜、ベッドの上で寝ている間に、Stanleyの上に大きな掲示板が落ちてきて、彼の体はぺっちゃんこ。でも、ペラペラの体でも、いろいろ役に立つこともありまして…。

ペラペラの体になった少年Stanleyの活躍を描いた作品です。狭いところを通ったり、凧になって空に舞い上がったり、いろんな方法で読者を楽しませてくれます。日本にいたら、彼のあだ名は絶対「ピョン吉」になったでしょうね(笑)。

単に荒唐無稽で愉快な物語というだけでなく、ペラペラの体をうらやましがったりする弟のArthurなど、家族との絆などもきっちり描かれているところも見逃せませんね。

でも、Stanleyの両親に一言言いたい。いくら安上がりだからと言って、大事な息子を封筒に入れて郵送するのはどうかと思うぞ(笑)。

評価:★★★

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2010.01.04

Remember Who You Are: Life Stories That Inspire the Heart and the Mind


Remember Who You Are
(33,623語 YL:5.0)

ハーバード・ビジネススクールの教授陣が学生達に贈った言葉をまとめた書籍です。有能な教授達の経験に基づく様々な金言を、「状況を理解する(Gaining Perspective)」「自分をコントロールする(Managing Yourself)」「周りの人を導く(Leading Others)」「価値を創造する(Building Values)」という4つのカテゴリで紹介しています。

紹介されるスピーチは示唆に富み、非常に考えさせられるものが多いです。でも、「自分の位置や目標を確認する」「周りへの感謝を忘れない」「自分の言動が与える影響を考える」など、根底に流れる理念は、どの国でもどの分野でも通用する非常に基本的かつ普遍的なものであるように見えます。

企業家になる人も多いであろうMBAの学生達に「どれだけ稼いだかではなく、どれだけの人に良い影響を与えることができるかが大事だ」と説いている部分が非常に印象的でした。「いかにビジネスとして成功できるか」を述べたリーダーシップの教科書というよりは、むしろ「いかに人生を良く生きるか」について多くが述べられている、人生の指南書のような一冊です。

この本から「生きるヒント」を見つけた人も多いのではないかと思います。

評価:★★★★

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