Generosity: An Enhancement
Generosity: An Enhancement
(100,000語 YL:9.0)
混乱に満ちたアルジェリアからアメリカにやってきたThassa。彼女は悲劇に満ちた人生を送っていながら、幸せな笑顔を振りまき、周囲の人達をも幸せな気持ちにする力を持っていた。しかし、科学者Kurtonが彼女の遺伝子を調べ、「幸せを感じる遺伝子」の存在を突き止めたと発表する。しかしその日から、Thassaの存在や彼女の遺伝子をめぐり、多くの人たちの思惑や欲望が渦巻きはじめる…。
「幸せの遺伝子を持つものは、幸せになれるのか」というなかなか面白いテーマを描いています。最近では遺伝子検査で、病気のリスクやアスリートに向いているかどうかなど、いろいろ調べることができるようですが、それを「幸せ」という非常に抽象的かつ人生の根本に関わる概念にまで発展させた点が面白いですね。確かに、生まれながらにして、幸せに暮らせることを運命づけられている子供を授かることができるとしたら、多くの人がその権利を欲しがるのも不思議ではないかもしれません。
ただ、この作品は文章が非常に難解です。一人称や三人称、現在形や過去形が入り乱れて、読解が非常に困難です。特に物語の前半は展開もっさりしていて、読むのが少々苦痛な部分もあります。非常に面白いテーマを扱っているだけに、残念な感じがします。
評価:★★
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