« 2010年3月 | トップページ | 2010年5月 »

2010.04.30

ビヨンド・エジソン―12人の博士が見つめる未来


ビヨンド・エジソン―12人の博士が見つめる未来

12人の卓越した業績を誇る科学者の人生や取り組みを綴ったノンフィクションです。

それぞれの研究分野は医療や気象、生物学や情報工学など多岐にわたります。彼らに対して、筆者が「人生に影響を与えた一冊の伝記」を挙げてもらい、それを切り口に研究者達の独創的なアイディアやモチベーションの源を探ろうというアプローチも非常にユニークで面白いです。選ばれる伝記は、やはりキュリー夫人などの研究者のものが多いのですが、中には芸術家モーツァルトを挙げる人もおり、意外性があっていいですね。

それぞれの研究者に共通して言えそうなことは、研究でブレイクスルーがある時には、そこには「他の研究者との出会い」が非常に大きな影響を与えることが大きそうだということです。そういう研究者に出会えるかどうかは、運にも大きく左右されることが多いのかもしれません。でも、この本に出てくる人々は、問題に対して常に真摯に取り組み、そのような「運」がめぐってきた時に、それを逃さずに掴み取る準備がしっかりとできていた人達のように思います。

個人的には、我々の住む社会が、こういう人類の英知を1歩でも2歩でも進めようとする人達を応援できる社会であってほしいなあ、と思います。それこそ考古学や宇宙開発といった分野は、医療や情報工学ほど我々の生活に密着しているわけではありません。「役に立たない研究だ」とばっさり切り捨ててしまうことはとても簡単だと思います。でも「現在の自分達に役に立つこと」以外のベクトルについて、未知の現象や謎を解き明かすことをやめてしまったら、そのような社会は「役に立つこと」の解を見つけるのも難しい社会になるのではないかと思います。一人の人間だって「あの時にやっていたことは一見無駄のように思えたけど、それが今になって大きな意味を持ってきた」という経験をしたりすることもあるのですから。

評価:★★★★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.04.21

The Sisterhood of the Traveling Pants


The Sisterhood of the Traveling Pants
(54,763語 YL:6.6)

運動神経抜群でアグレッシブなBridget、美人で控えめのLena、ファンキーで反抗的なTibby、そして思いやりのあるCarmen。同じ夏に生まれた4人は大親友。だけど今年の夏、初めて別々に過ごすことになる。それぞれが旅立つ前日、Carmenが古着屋で買ってきたジーンズをみんなではいてみると、体型が全く違う4人全員に抜群に似合う。この不思議なジーンズに4人は誓いを立てる。離れていても、この4人の間でジーンズをはいて順番に回すこと。離れていても、いつも一緒…。

4人のティーンエイジャーの女の子の夏の成長物語です。それぞれが難しい問題に直面しますが、友情とジーンズが与えてくれる勇気で前進していく姿を描いています。年頃の女の子の姿をストレートに描いているので、同年代の読者は感情移入しやすいのではないかと思います。4人の登場人物の特徴もバラバラなので、自分に近い誰か一人に、自分の姿を容易に投影できるのではないかと思います。

ただ、親の再婚、ペットや友達との死別など、重たくてシリアスにならざるを得ない出来事を登場人物に与えることによって、登場人物や読者の心を揺さぶってやろうという、作者の「計算」みたいなものがちょっと透けて見えるような気がしてしまいます。1人くらい「お気楽でグダグダな夏」を過ごすやつがいてもいいような気がするのですが(笑)。

評価:★★★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.04.18

コーヒーメーカー購入。

多読1,500万語通過を記念して(?)、買い物をしました。買ったのは、デバイスタイルのサーモマグコーヒーメーカー、CA-3Sです。


deviceSTYLE Brunopasso マグタイプコーヒーメーカー CA-3S

続きを読む "コーヒーメーカー購入。"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.04.17

1,500万語通過!!

"Shields of Pride"で多読1,500万語を通過したので経過報告させて頂きます。

続きを読む "1,500万語通過!!"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.04.15

Shields of Pride


Shields of Pride
(100,000語 YL:9.0)

1173年のイギリス。道端でMonstsorrel家の一行が困っていた時に助けたのは、Lord Williamの息子のJoscelin。その後、粗暴なMonstsorrel家の主Gilesが死に、後には妻Linnetと息子Robertが残された。彼らを守るように命じられたJoscelin。最初は彼のことを財産目当てと疑っていたLinnetであったが、二人は互いに強く惹かれあうようになる。しかしLinnetには、Joscelinには決して明かせない秘密があった。そして二人の運命は、戦乱の世に巻き込まれることになる…。

中世のイギリスを舞台にした物語です。最初は歴史ドラマかと思いましたが、完全にJoscelinとLinnetのラブストーリーですね。近親者の間での憎悪が生々しく描かれています。JoscelinとRalfの兄弟関係、夫Williamと妻Agnes、父Williamと息子Ralf、そして妾のMorwennaと妻Agnesなど、様々な憎悪の関係が描かれています。男達の憎悪は権力がからんでいるものが多いですが、女同士や夫婦間の憎しみは嫉妬などの個人的な感情が多いですね。でも、どちらも「プライド」に関わる問題というのが、この作品のテーマなのでしょうか。

あと、ちょっと英語が難しいですね。mercenaryとかoublietteとか、他の作品ではあまりお目にかからない単語が多数出てきます。歴史物を読む時には、それなりの専門用語を知らないといけないのは、和書でも洋書でも一緒ですね。

評価:★★★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年3月 | トップページ | 2010年5月 »