« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »

2010.07.23

Two for the Dough
(Stephanie Plum Novels #2)


Two for the Dough
(84,000語 YL:8.0)

裁判所に現れない保釈人を捜索するBounty hunterの仕事をするStephanie。今回の彼女のターゲットは、友人のMoogeyを銃で撃ったとされる男Kenny。それと同時にStephanieは葬儀屋のSpiroから、無くなった棺桶の捜索を依頼される。しかしそれらの事件の裏では、巧妙な武器の密売が行われていた…。

One for the Moneyの続編です。前作に比べるとちょっとインパクトが薄い気もします。読むほうがBounty hunterという仕事に慣れてしまったせいかもしれません。

事件の真相や物語のプロットを楽しむというよりは、キャラクターの魅力で勝負の作品ですね。勇気や正義感などこれっぽっちもないヘタレなStephanieや、何かと彼女に迫ってくる刑事のJoe Morelli。神出鬼没のターゲットKennyなど、それぞれにキャラが立ってます。特に、Stephanie以上にBounty hunterの仕事にやる気を見せるMazurおばあちゃんの活躍は必見です。彼女無しではこの作品は語れません。

評価:★★★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.21

オシム勝つ日本


オシム勝つ日本

ワールドカップ開催前に、オシム氏がサッカーの様々な面について述べたインタビューです。

話題は日本代表やJリーグ、ビジネスとしてのサッカーや監督の仕事など多岐にわたります。そのいずれについても、現実を冷静な視点で分析しています。その知識と分析そして提言には非常に感心するところが多いです。

その的確な分析は、時として予言のような驚きを感じさせます。例えば、2010年のワールドカップにおいて「今大会で可能性を秘めるのは、チリやパラグアイなどの南米勢や、コートジボワールやガーナなどのアフリカ勢だ。」と述べていますが、このうちコートジボワールを除く3チームは現にグループリーグを突破しています。さらにガーナとパラグアイはベスト8まで進んでいます。

また、名古屋グランパスのストイコビッチ監督については、「変化を起こすためには、人と違った考え方をしなければならない。そして選手の背中を思い切って押さなければならない。その点で彼には勇気があったし、自分自身の確固とした考え・信念があった。」と評しています。この論評からは、つい先日、ブラジルから帰国したばかりで、コンディション的にも精神的にも難しい状態にあった闘莉王を無理矢理試合にフル出場させた時のことを思い起こさせます。相当なリスクを負った起用であり、まさに信念がなければできない決断ですね。

上記以外にもオシム氏の言葉にはすごく重みがあるものがたくさんあり、読みごたえがあります。ただ、文章の構成という観点からすると、冗長な部分や重複する部分もいくつかあり、オシム氏が語ったそのままを記載しているような印象を受けます。ですが、読者のためを考えたら、もう少し内容を編集して、すっきりと読みやすい構成にしてもよかったのではないかと思います。何となく、著者はオシム氏の言葉をありのままに伝えようとするあまり、誤解を生みかねない編集を極力控えているような気がします。監督の言うことには忠実だけど、リスクを恐れて思い切ったプレーができないサッカー選手の姿と著者の姿が何となくだぶって見えてしまうのは、気のせいでしょうか。

評価:★★★★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.13

Cold Caller


Cold Caller
(72,171語 YL:6.0)

かつて広告会社で管理職をやっていたBillであったが、今はしがない電話勧誘員。おまけに遅刻が原因で上司に叱責されてしまう。しかし会社のリストラで多くの従業員が職を失う中、彼は上司に取り入って管理職に大抜擢。だがそれがもとで恋人のJulieと喧嘩してしまい、さらには上司のEdがBillの秘密を見つけ、退職を迫る。頭に血が上ったBillはEdの首に手をかけて…。

ニューヨークに住む一人の男の転落人生を描いたサスペンスです。主人公のBillは「塞翁が馬」を絵に描いたような男で、ハッピーとアンハッピーが交互にやってきます。怖いのはその振幅がどんどん大きくなっていくところ。はじめは遅刻といった些細な出来事だったのですが、そのうち殺人事件にまで発展してしまいます。主人公Billならずとも、「どうしてこんな人生になってしまったんだろう」と考えずにはいられません。

物語の前半は多少展開の遅い部分もありますが、後半にかなりスピードアップしてきます。他人には絶対に見せることのできないような、人間のドロドロとした醜い部分をストレートに描いているところが、逆に好感の持てる作品です。

評価:★★★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.06

By a Spider's Thread


By a Spider's Thread
(95,778語 YL:8.0)

裕福なRubin家の妻Natalieが突然、3人の子供を連れて失踪した。残された夫のMarkは、私立探偵のTessに捜索を依頼するが、家族の失踪の原因には全く心当たりがないと言う。しかし実際は、Natalieは他の男Zekeと逃避行の途にあった。そして捜査を進めていくTessは、MarkとNatalieの秘密を突き止めることになる…。

家族の失踪を捜査する私立探偵Tessが活躍するサスペンスです。依頼者のMarkがユダヤ教徒で、「妻以外の女性には触れない」等の様々なユダヤ教のしきたりや専門用語がでてきます。自分はこの分野の知識をあまり持っていないので、ニュアンスがよく分からない部分も少しありました。

事件の首謀者のZekeは、自分では頭が良くて完璧な計画を練っていると考えています。しかし、Natalieが起こす次々の「想定外」によって右往左往するはめになります。その様子にはなんだか喜劇的な哀しさすら感じてしまいますね。極悪人なので、あまり同情はしませんが。

逃げる側の状況が分かってしまっていることもあり、サスペンスとしての緊張感は、まあ普通といった感じですね。

評価:★★★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.05

恐竜検定2級は受験しません。

アニマル・プラネット社から、恐竜検定開催のお知らせが郵送されてきました。昨年恐竜検定3級に合格していたので、今年は2級にチャレンジしようと思っていたのですが、受験しないことにしました。

続きを読む "恐竜検定2級は受験しません。"

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »