Just Take My Heart
Just Take My Heart
(93,000語 YL:7.0)
二年前に起きた女優Natalieの殺人事件について、供述者が現れた。名前はJimmy。コソ泥の悪党だ。彼の話によると、Natalieの夫Greggが、JimmyにNatalieの殺害を依頼したが、Jimmyが直前になって断ったため、Greggが妻Natalieを殺害したという。犯行時間にアリバイの無いGreggは、検察側弁護人のEmilyによって、厳しく追及される。そして、判決が言い渡された後、事件は意外な展開を見せる。そして同時に、Emilyは連続殺人犯に命を狙われることになる…。
法廷を舞台に繰り広げられるサスペンス・ミステリです。主人公のEmilyは、裁判で被告を追及しつつ、それでも被告が無罪だとは心から信じられず、また怪しい隣人Zach(実は連続殺人犯)に悩まされるという非常に難しい立場に置かれています。表面的には冷徹に被告を追い詰める厳しい女性というイメージですが、実はいろいろ悩んだり、苦しんだりという内面がよく描けているのではないかと思います。
面白かったのは、裁判の経過についてを放送するテレビ番組"Courtside"の存在ですね。今まさに行われている裁判について「被告は有罪/無罪と思うか」をWebで視聴者に投票させるなんて、ちょっと今の日本じゃ考えられないような気がします(しかも番組のホストが被告の友達)。さすがショウビズの国アメリカでは、裁判までテレビショウにしてしまうのかという感じです。
プロットとしては、途中くらいから何となく先が読めてしまう感じがするので、もうひとひねり欲しかったところです。
英語的には、法廷もののサスペンス・ミステリとしては非常に読みやすい部類に入ると思います。シドニー・シェルダンなどが読める人なら、サクサク読めて十分楽しめると思います。
評価:★★★
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