The Girl with the Dragon Tattoo
(Millennium Trilogy #1)
The Girl with the Dragon Tattoo
(140,000語 YL:8.0)
ジャーナリストのMikael Blomkvistは、彼が書いた記事がもとで名誉棄損の罪で有罪となった。そんな彼に声をかけたのは元大実業家のHenrik Vanger。VangerはBlomkvistに、40年以上も前に行方不明になり、殺されたと思われる姪のHarrietを探して欲しいと言う。Blomkvistはセキュリティ会社で働くフリーの調査員Lisbethの力を借りて捜査を進めるが、次第に明らかになるのは、Vanger家のおぞましい過去の出来事だった…。
スウェーデンを舞台にしたサスペンス・ミステリです。原書はスウェーデン語ということなので、「英訳版」ですね。前半部分は事件の背景や容疑者を含む人物のバックグラウンド紹介みたいな感じで少々かったるい感じもしますが、BlomkvistとLisbethがタッグを組むあたりから、がぜん面白くなってきます。特に、全身タトゥーにピアスだらけで、超天才的ハッカーという設定のLisbethのキャラクターが際立っていますね。非常に有能だけど、心を閉ざしてなかなか本心を明かさない。でもその心の中には燃えさかる怒り、冷徹な復讐心などの大きな感情が隠れています。とらえどころのない不安定な感じの危ない魅力を持っていますね。
「橋が封鎖された島で起きた殺人事件」ということで、容疑者が限定される密室殺人的な事件の構造ですが、40年前に捜査され尽くした事件について、Blomkvistがどのように糸口を見つけていくかというストーリー展開も非常に練られています。事件の真相も、多くの読者の予想を超えるものであると思います。
スウェーデンの地名や人名などの判別がなかなか難しいですが、とても重厚で読みごたえのあるミステリです。3部作ということなので、あと2作も是非読みたいですね。
評価:★★★★
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