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2011.03.30

Wolf Brother
(Chronicles of Ancient Darkness #1)


Wolf Brother
(57,191語 YL:7.0)

太古の狩猟時代。森の中で父親と暮らしていたTorakは、魔物にとりつかれた恐ろしく残忍な熊に襲われる。父親はTorakを逃がし、彼に告げる。「奴を倒すためには、精霊の山へ行くのだ…!」父親を亡くし、一人になった彼は、一匹の幼い狼に出会う。この狼の導きに従い、Torakは3つの印(Nanuak)と、精霊の山を探す過酷な旅に出る…。

約6,000年前の狩猟時代を舞台にした冒険ファンタジーです。こんな時代のことを描いた作品はあまりないので、新鮮味がありました。行く手を阻む様々な障害や、重要なアイテム探し、主人公自身に隠された秘密など、児童書ファンタジーの「ツボ」はきちんと押さえてある印象です。

でも、世界のどこにあるのか分からない3つの印(Nanuak)を、結構簡単に見つけてしまうのが拍子抜けでしたね。不用意に落ちた滝壺でそれを見つけたりするなど、いくら狼の導きがあったとしても、ちょっと話が出来すぎていると思います。

英語は児童書にしてはちょっと難しいかな、と思います。でも、主人公Torakの相棒となる狼の言葉が独特で面白いですね。彼に言わせると、人間はtailless(尻尾の無い者)で、炎はBeasts-that-Bite-Hot(熱く噛みつく獣)だそうです。

評価:★★★

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2011.03.28

One Piece (Vol.1)


One Piece (Vol.1)
(9,700語 YL:4.5)

海賊になることを夢見る少年Luffy。彼は、憧れている海賊のキャプテン"赤毛のShanks"に、自分も航海に連れていくようにねだっていた。しかしShanksには軽くあしらわれてしまう。そんなLuffyは、「ゴムゴムの木の実」を食べてしまい、体がゴムのようになり、一生泳げない体になってしまう。ある日Luffyは山賊といざこざを起こし、Shanksに命を救われるが、その代償としてShanksは片腕を失ってしまう。Shanksの勇気と優しさを知ったLuffyは誓った。「俺は、海賊王になる!」


ご存知、大ヒットマンガOne Pieceの第1巻です。「誤って魔性の木の実を食べた」というアクシデントによって特殊能力をつけたという設定は、なかなかユニークです。

ストーリーとしては、分かりやすい勧善懲悪型ですね。敵役の海賊や海軍達は、悪人面で、同情の余地の無い悪党達です。ストーリーは単純かもしれませんが、このマンガの魅力はやっぱりキャラクターにあるのでしょうね。Luffy、Shanks、そしてZolo。みんな大切なものを持っています。それは夢であったり仲間であったりするのですが、それさえ守ることができれば、自分が他人にどう思われようが関係無いという、一種の潔さを感じます。日々の生活の小さいことでいろいろ悩んでいる読者達は、彼らの真っすぐな姿勢に惹かれるのかもしれません。

それにしても、Zoloカッコいいですねぇ。少女が一生懸命握ったであろうオニギリを、悪党がメチャメチャに踏みつぶしたのを見て、その泥だらけのオニギリをZoloが一粒残さず食べるシーンが好きです。男気を感じます。

評価:★★★★

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2011.03.24

The Gold Coast


The Gold Coast
(203,190語 YL:9.0)

多くの上流階級の金持ちが住んでいる、ニューヨークのゴールドコースト。弁護士のJohn Sutterも、妻の父の財産で大豪邸に住んでいた。そんな彼の隣の家に、イタリアマフィアのドン、Frank Bellarosaが引っ越してきた。Frankは多くの犯罪の疑いをかけられており、殺人容疑の弁護をJohnに依頼する。しかし、Frankとの関わりが深くなるにつれて、Johnは仕事や家庭の全てにおいて、思いもしなかった転落人生を歩むことになる…。

マフィアのドンに関わった弁護士Sutterの転落人生を描いたヒューマンドラマです。40代半ばで、あまり夢もなくなって少々「中年クライシス」的な状態のJohnの心理を、一人称の視点でユーモアや皮肉たっぷりに表現しているところがいいですね。また、妻との不仲、税金の問題、マフィアのボスの弁護など、いろんなことが絡みあって、Johnの人生は少ずつ崩壊していき、最後は「ドツボ」にはまります。他人の不幸を笑うような、少々悪趣味な感じもする作品ですが、語り口調が軽い感じなので、重苦しい雰囲気や悲壮感はあまりありません。

時代背景としては、90年代にゴールドコーストの大邸宅がどんどん売りに出されて、土地が分割されて住宅地になり、海外からの移民がどんどん押し寄せてきたという事象があるようです。自分は日本人なので良く分からないのですが、米国の人にとっては「古き良きアメリカ」が失われていくことに対してのノスタルジーみたいなものが、この作品からは感じられるのかもしれませんね。

評価:★★★

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2011.03.22

震災から10日

東北地方太平洋沖地震により被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。

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地震の当日、自分も少々の帰宅難民となりましたが、自宅周辺では大きな停電や断水もなく、街は一見日常を取り戻しつつあるように見えます。

でも、連日テレビなどで報道されているように、今でも原発や避難所では、多くの人を救うために命をかけて戦っている人達がいます。

自分は非力な存在ですが、募金をする、節電をする、買い占めをしないなど、自分にできることを考えながら、少しずつでも行動に移していきたいと思います。

http://prayforjapan.jp/message/

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