The Gold Coast

The Gold Coast
(203,190語 YL:9.0)
多くの上流階級の金持ちが住んでいる、ニューヨークのゴールドコースト。弁護士のJohn Sutterも、妻の父の財産で大豪邸に住んでいた。そんな彼の隣の家に、イタリアマフィアのドン、Frank Bellarosaが引っ越してきた。Frankは多くの犯罪の疑いをかけられており、殺人容疑の弁護をJohnに依頼する。しかし、Frankとの関わりが深くなるにつれて、Johnは仕事や家庭の全てにおいて、思いもしなかった転落人生を歩むことになる…。
マフィアのドンに関わった弁護士Sutterの転落人生を描いたヒューマンドラマです。40代半ばで、あまり夢もなくなって少々「中年クライシス」的な状態のJohnの心理を、一人称の視点でユーモアや皮肉たっぷりに表現しているところがいいですね。また、妻との不仲、税金の問題、マフィアのボスの弁護など、いろんなことが絡みあって、Johnの人生は少ずつ崩壊していき、最後は「ドツボ」にはまります。他人の不幸を笑うような、少々悪趣味な感じもする作品ですが、語り口調が軽い感じなので、重苦しい雰囲気や悲壮感はあまりありません。
時代背景としては、90年代にゴールドコーストの大邸宅がどんどん売りに出されて、土地が分割されて住宅地になり、海外からの移民がどんどん押し寄せてきたという事象があるようです。自分は日本人なので良く分からないのですが、米国の人にとっては「古き良きアメリカ」が失われていくことに対してのノスタルジーみたいなものが、この作品からは感じられるのかもしれませんね。
評価:★★★
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