Kindleとケルズの書
アイルランドに滞在中、アイルランドの国宝で、「世界で最も美しい本」と言われる聖書写本「ケルズの書」を見に行きました。

図書館に入ると、まずケルズの書にまつわるいろいろな説明があります。歴史、文字、イラストなどに関する説明です。
そして、本物の「ケルズの書」が保存されている小部屋に入ります。そこには、本物のケルズの書がありました。歴史を感じる、とても重厚な感じがしました。
また、小部屋の壁面にはケルズの書のイラストがいくつか飾られていました。その中の1枚の大きな絵の前で、思わず立ちすくんでしまいました。
「ああ、こんな感じの絵、見たことがある…。」
思い出したのは、この絵でした。

Kindleの電源をOFFにしたときに現れる、スクリーンセーバー(?)です。
実際に展示室で見かけた絵は、上のKindleのものとは違ったのですが、それでもこれらの絵が同じ本に載っていることは、すぐに分りました。
Kindleになぜケルズの書のイラストが入っているのかは分りません。でも、スクリーンセーバーの他の画像には、数々の有名作家の肖像画などもあることを考えると、おそらくはAmazonの人達は、Kindleを作るにあたり、過去の作家や作品にとても大きな敬意を払っているのではないかと思います。まるで「あなた達がいたから、今の私たちがいるのです」と言うかのように。
考えてみれば、ビデオテープやレコードなどのアナログメディアは、再生機がすでに絶滅寸前。CDやDVDだって数十年の耐用年数はないでしょう。Kindleを含む電子書籍だって、電気という社会インフラが正常に動作していなければ読めません。「ケルズの書」のように、多くの情報を集積しながら1000年もの時を超えることができるメディアは、今のところ紙しかないでしょうね。
Amazonの中にも「電子書籍は世界の読書のあり方を変えつつある。でも、「紙の発明」の偉大さに比べれば、まだまだ全然かなわない」と考えている人がいるのかもしれませんね。
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