False Impression
False Impression
(108,000語 YL:6.5)
銀行家のFenstonは絵画のコレクター。欲しい絵を手に入れるためならば、絵画の所有者を破産に追い込んだり、殺害するのも厭わない。その彼がついにゴッホの名画「耳を切った自画像」を手中に収めようとしたとき、ニューヨークのワールドトレードセンターで同時多発テロが発生。関連する書類はセンター内の彼の事務所とともに無くなってしまう。一方、Fenstonが自画像の所有者Wentworthを破産に追い込もうとしていることに気づいた部下のAnnaは、それを阻止すべく混乱のニューヨークを抜けて自画像のあるロンドンへ向かう。果たして、名画は誰の手に渡るのか…?
1枚の名画をめぐるサスペンスです。タイトルの"False Impression"の通り、いろんな登場人物が正体を偽りながらストーリーが展開するところが、なかなか面白いですね。距離的には離れていても、お互いに相手の裏をかくような「駆け引き」が楽しめます。
賢く、大胆な女性が世界を巡りながら陰謀と対峙するというストーリー展開は、シドニィ・シェルダンの作品とテイストが似てるような気もします。英語も読みやすい部類にはいるでしょうし、シェルダンのファンにはお勧めできる作品です。
ちなみに、タイトルの"False Impression"は直訳すると、「誤った印象」という感じになると思いますが、おそらくダブルミーニングですね。作品に出てくるのがゴッホの自画像だから付けられるタイトルで、ピカソだったらきっとこのタイトルじゃないでしょうね。
評価:★★★
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