セーラが町にやってきた
長野県の小布施町で様々な改革を成し遂げたアメリカ人女性、セーラ・マリ・カミングスさんの活躍を描いたノンフィクションです。セーラは国際北斎会議の誘致や新酒の開発など、様々な活動で小布施を盛り立てていきます。セーラが来る以前から、小布施では市村家の人々を中心に、修景事業などの改革を続けていたのですが、セーラが来ることによってさらに加速したような感じですね。素晴らしいアイディアを実行するのに、タイミングの良いも悪いもない。ありもしない「いいタイミング」を待たずに、直ちに行動するのをよしとするセーラのスピード感には関心させられます。
その猪突猛進な仕事ぶりから「女カルロス・ゴーン」とも評されるセーラさんですが、周囲に無茶なお願いをしては、しまいに相手をその気にさせて様々な改革を実現させるやり方は、むしろスティーブ・ジョブズのReality Distortion fieldに通じるものがあるような気がします。ジョブズは新しいものを作るために既存の概念を次々と破壊していくイメージがありますが、セーラは日本の古き良きものを守るために必要な改革を行うという、正反対のイメージを持ちました。でも二人とも東洋の文化の素晴らしさに感銘を受けていたということで、根底に流れるフィーリングには共通したものがあったのかもしれませんね。
評価:★★★★
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