一瞬の風になれ
第一部 -イチニツイテ-
天才的な才能を持つ兄の健一と一緒にプレーしたくて、ずっとサッカーを続けてきた神谷新二。しかし自分に限界を感じ、サッカーをやめてしまう。そして高校に入ると、今度は天才的なランナーで幼なじみの一之瀬連と一緒に陸上部に入部する。美しいフォームで誰よりも速く走る連の背中をいつも追いかけることになる新二。俺もいつかあんな風に走りたい…。
高校陸上部の青春を描いた「一瞬の風になれ」の第一部です。大会とか合宿(からの脱走)とか、ちょっとした恋愛の話とか、高校部活ストーリーてんこ盛りです。体育会系の部活をやっていた人なら「あるある」と思う場面も多々あるのではないでしょうか。
ストーリー的には新二と連の関係が面白いですね。新二は足が速いのですが、どちらかと言うと努力の人で、部活とか練習は真面目にやるのが当たり前だと思っています。一方の連は天才的な才能に恵まれながらも、練習をさぼったり合宿を抜け出したりの自由人。それでも速い連に対して新二はいろんな感情を抱きます。憧れ、嫉妬、怒り…でも幼なじみで親友で、大切なチームメート。思春期真っ只中の気持ちの変化が面白いですね。
文体も自然な感じで、サクサクと読み進めていくことができます。フィクションは洋書ばかりで最近和書をあまり読んでいなかったのですが、久しぶりに読んでみると和書もなかなかいいですね(笑)。
評価:★★★★
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