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2015.10.29

Two Little Girls in Blue


Two Little Girls in Blue
(83,892語 YL:7.0)

Frawley夫妻の家から3歳の双子の娘、KathyとKellyが誘拐された。誘拐犯「笛吹き」は、身代金を払えば子供を返すという。しかし、身代金の受け渡しが終わった時に帰ってきたのはKellyだけであった。残されたのは自殺した共犯者と、「Kathyは殺した」という彼が残した遺書。そんな中、Kellyは大人たちに告げる。「ねえ、Kathyがお家に帰りたいって言ってるよ…。」

テレパシー能力のある双子の女の子の誘拐事件を描いたサイコサスペンスです。双子の片方Kellyが両親に返され、もう片方がKathyが連れ去られたままという状態で、KellyがKathyの状態や居場所に関する情報を警察や両親に提供します。テレパシーという要素はなかなか面白かったのですが、ちょっと展開が一本調子のような感じですね。「笛吹き」をはじめとする誘拐犯たちも、あちこちに証拠をボロボロと残していくので、完全犯罪からはほど遠い状態です。敵役が憎らしいくらい賢かったらもう少し面白かったかも。

評価:★★★

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2015.10.20

Jean's Way


Jean's Way
(46,500語 YL:6.0)

癌に侵され、余命が短いことを宣告された妻Jeanと、彼女を支える夫Derek(著者)の姿を描いたドキュメンタリーです。Jeanは苦しみながら生きるよりも、自分らしく死にたいと考え、時が来たら自分の命を絶つように夫Derekに依頼します。妻は愛する人を残して死ぬ、夫は愛する人の命を絶たなければいけないというつらい境遇の中で、夫婦が互いに相手のことを思いながら、残された短い日々を過ごす姿には心を打たれます。

安楽死という選択が正しかったのかどうかは、部外者からはとても判断はできないと思いますが、夫婦で決めた決断には、二人とも後悔は無かったのだと思います。

日々を生きることの大切さを、あらためて感じさせてくれる作品です。

評価:★★★★

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2015.10.11

Redeployment


Redeployment
(94,240語 YL:9.0)

戦争に関わる様々な米国人の姿を描いたオムニバスです。戦争の物語というと、前線で銃を持って戦う人々が主役である場合が多いのですが、この作品では少し別の役割を持っている人が多く出てきます。

慣習の異なるイラクの人々との交渉や、「イラクの子供達にベースボールをやらせろ」という本国からの無茶ぶりに対応する復興担当者。戦士した兵士に賞を与えるための書類を書く事務員。敵に対して侮辱的な言葉を使うことで敵を誘い出す心理作戦担当者…。個人的に一番印象に残ったのは、従軍牧師のストーリーです。常に死と隣り合わせという極限状態の兵士が精神的に病んでいく中で、彼らを救うことができない従軍牧師の苦悩は胸に刺さるものがあります。

この本では、現代の戦争における、今まであまり描かれてこなかった部分を見ることができます。「実話である」とは書いていないのですが、著者がイラクに従軍した経験や、彼が取材した関係者の実体験に基づく、真実味のあるストーリーであることは容易に想像できます。社会的にも戦争に関する議論が絶えない今日において、多くの人に読んでもらいたい本です。

評価:★★★★

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