The Decline and Fall of IBM: End of an American Icon?
The Decline and Fall of IBM: End of an American Icon?
(50,000語 YL:7.0)
世界有数のIT企業であるIBMの凋落ぶりを綴ったドキュメンタリーです。株価の維持を最優先事項とし、そのためには大規模なレイオフや売上の減少、顧客満足度の低下をも厭わないIBMの姿勢を批判しています。
興味深かったのは、IBMのマネジメントに何層ものレイヤができて、意思疎通や意思決定が遅くなったことに対して、著者が「官僚的で日本的」と述べていたことです(悪い意味でですね)。日本企業も、IBMの失敗から学び取らねばならないことも多そうです。
IBMの社員や元社員によるコメントも多数掲載されています。印象に残ったのは、米国から仕事をアウトソースした先の国(インドなど)のIBM従業員の言葉でした。彼らは自分達が仕事を得る反面、米国の従業員が多数解雇されている状況を好ましいとは思っていないようです。IBMはやはり米国の本社が中心なので、そこが傾いたり縮小が続いたら、オフショア先だって安全ではないと危機感を募らせています。
外からは見えない米国企業の一面を教えてくれる貴重な一冊だと思います。
評価:★★★★
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