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2021.05.23

Grit: The Power of Passion and Perseverance


Grit: The Power of Passion and Perseverance
(81,490語 YL:8.0)

人生における幸福や成功に重要なgrit(やりぬく力)について説いた本です。著者は、gritは情熱(passion)と根気(perseverance)によって成り立っていると分析し、自分がgritを注ぎ込める対象を見つけることで、人々は天職(calling)や生き甲斐にたどり着けると述べています。

「スキル = 才能 × 努力」かつ「成功 = スキル × 努力」だとしたら、成功において努力は才能の二乗分くらい重要であるとか、gritが個人的な夢や欲求だけでなく、それが社会的な意義や他者の幸せにつながる時に、さらにgritは高まるなど、様々な視点からgritの重要性を述べています。他者のgritを高める方法(暖かく支援しながら高い目標に向けて応援すること)などについても述べられており、組織のマネージャーや教育者にもお勧めです。

自分がgritのことを考えて、思い浮かべる人物は三浦カズ選手ですね。選手としてピークを過ぎて、以前のような活躍はもう望めないのは明らかだし、試合にもなかなか出られないし、批判されることも多く、思い通りにいかないことがたくさんあると想像しています。それでも「もっとうまくなりたい、もっとサッカーを楽しみたい」という情熱をずっと持ち続けて、50歳を超えてもまるでルーキーのようにボールを追いかけています。そんな彼の"grit"に人々は魅了されるのかもしれないと思います。

評価:★★★★

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2021.05.01

Shoe Dog: A Memoir by the Creator of NIKE


Shoe Dog: A Memoir by the Creator of NIKE
(116,145語 YL:8.0)

ナイキ創業者の回顧録。起業家の書籍というと、真面目で堅苦しいビジネス書籍のようなものを想像しますが、この本は全然違って、繰り広げられるのは人間ドラマです。

オニツカタイガーとの出会いと確執、ギリギリの借金を重ねながらの会社の急拡大、そして米国政府との戦いなど、様々なドラマが展開されます。どんな苦境に立たされても、決して諦めることなく、シューズへの情熱を武器にひたすら走り続けるPhilの姿には感銘を受けます。今でこそスポーツビジネス界を支配しているかのような同社ですが、その根底に流れるのは、倒産寸前の小さな会社だったころからの「スポーツで世界を変えたい」という理念だったということが分かります。

今までナイキはそんなに好きなブランドというわけではなかったけど、この本を読んでからちょっとファンになりました。

評価:★★★★★

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