2024.09.29

Attention Span: A Groundbreaking Way to Restore Balance, Happiness and Productivity

Attention Span: A Groundbreaking Way to Restore Balance, Happiness and Productivity
(50,000語)

メール、SNS、動画サイトなど、あらゆるデジタルメディアは短い時間で我々の注意を引こうとし、それにより我々は長時間何かに集中することが難しくなっていると説く。

「ついついスマホを触ってしまい、無駄に時間を過ごしてしまう」ことで悩む人にはお勧めの一冊。誰にでも即効性のある処方箋はなかなか無いけど、だいたい毎日何時頃に集中力が増すのかとか、自分のメンタルリソースが枯渇している時には無理をしないなど、自分自身の行動パターンに意識を向けて生活するのがよいのかな。

評価:★★★★

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2024.08.04

Humans Need Not Apply: A Guide to Wealth & Work in the Age of Artificial Intelligence

Humans Need Not Apply: A Guide to Wealth & Work in the Age of Artificial Intelligence
(50,000語 YL:6.0)

AIにより起こりうる(もしくは既に起こっている)社会の変化に対する考察。膨大なデータから様々な判断を瞬時に行う技術が我々の生活を便利にすると同時に、機械が人間をいかに操作し、時には搾取するような存在になりうるかを示す。

考えてみると、現在でも我々は歩く道や読むべき本、時には人生のパートナー選びまでスマホ(およびそれを介して提供されるサービス)に頼るような世界に住んでいて、我々の行動は既にかなりの程度でAIに支配されていると言ってもおかしくないのかもしれません。AIによる世界の支配というのは、SF映画のようなロボットの大群の反乱ではなく、見えないところで人間や社会を操作することで現実となりうるという考察は非常に興味深かったです。

未来における技術と社会の関わり方を考えるのに非常に参考になる一冊。

評価:★★★★

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2024.06.29

Die With Zero: Getting All You Can from Your Money and Your Life

Die With Zero: Getting All You Can from Your Money and Your Life
(60,000語 YL:6.0)

「自分のお金は子孫に残さず全部使って死にましょう」というケチ臭い話ではなく、「健康(活力)、時間、お金という限りあるリソースを賢く使うことで、充実した人生を送りましょう」という人生の指南書です。例えば「自分が死んだ時に子孫に資産を残しておきたい」という考え方ではなく、「本当に子孫のことを考えているのであれば、いつどれだけ子孫に与えるかを運命に委ねるのではなく、その資産が最大限活用できる最適なタイミングを自分でしっかり見極めて子孫に与えましょう」という感じです。

人生において重要なのは死んだときにいくら残せたかではなく、充実した、幸せな記憶をどれだけ蓄積できたかということであると説きます。自分がとても印象に残ったのは「思い出の配当(memory dividend)」という考え方です。若いころの幸せな記憶や、たとえ失敗しても後悔無く挑戦した経験などは、後の人生に幸せをもたらすので、若いころには勇気をもっていろいろチャレンジしてもよいと背中を押してくれます。

人生設計について様々なヒントを与えてくれる一冊です。

評価:★★★★

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2023.06.10

The God Equation: The Quest for a Theory of Everything


The God Equation: The Quest for a Theory of Everything
(60,000語 YL:7.0)

ニュートン力学、電磁気学、量子力学など、万物の理を表すあらゆる理論を統一する、たった1つの方程式を求める壮大な知の探求のドラマ。ニュートン、マクスウェル、アインシュタイン、ホーキングなど、名だたる天才達の戦いや苦悩の物語。それはまさに、宇宙規模での「ひとつなぎの大秘宝」を追い求める果てしなき旅路のよう。読みごたえあり。

評価:★★★★

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2022.08.04

Ganbatte! The Japanese Art of Moving Forward


Ganbatte! The Japanese Art of Moving Forward
(40,000語 YL:6.0)

大事な勝負に向かう人には「頑張ってね!」と声をかけ、災害時には「頑張ろう!」と互いに励ましあい、頑張って修行するアニメのキャラにわくわくするなど、日本社会に浸透している「頑張って!」の精神にまつわる様々な事柄のオムニバス。

でもギリシアでのマラソン発祥物語とか、悟りを開いたお釈迦様の話とか、正直なところ日本社会の「頑張って!」とは縁遠い事柄も多々入ってきて、多少こじつけっぽいところもあり。

評価:★★

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2022.01.07

HHhH


HHhH
(84,000語 YL:9.0)

第二次世界大戦中のナチスドイツ、SSトップのHimmlerの片腕であり、「プラハの死刑執行人」と恐れられたReinhard Heydrichの足跡を追ったドキュメンタリーです。彼がいかにしてのし上がり、ドイツ人以外の人々に冷酷な行為を行ってきたかが克明に綴られています。作者自身は、過去に実在した人物をドラマのように創作的に描写はしたくないと述べていますが、Heydrichの暗殺計画とその後の場面については、まるで直接見てきたかのように生々しく描写しています。

評価:★★★

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2021.06.30

Unbeatable Mind


Unbeatable Mind
(68,000語 YL:6.0)

東京で3度目の五輪に挑むサッカー日本代表の吉田麻也。小学生で長崎を出て、名古屋でプロになり、オランダに渡り、サッカーの母国イングランドで戦ってきた彼が、いかにして「負けない心」を培ってきたかを自らの言葉で語ります。

グランパスサポーターなら誰もが認めるアカデミーの出世頭が、悩みながら、苦しみながらも幾多の壁を超えてこれたのは、ハートの強さだけでなく、冷静な分析力や環境対応力を磨いてきたことが大きかったことを教えてくれます。

評価:★★★

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2021.06.16

The Wenger Revolution: The Club of My Life


The Wenger Revolution: The Club of My Life
(20,000語 YL:4.0)

22年務めたプレミアリーグ・アーセナルを退いた、アーセン・ヴェンゲル監督の軌跡。プレミアリーグ無敗優勝を含む幾多のタイトル獲得や、新クラブハウス建設、新スタジアムへの移転など、クラブの方向性を大きく変えた様々なターニングポイントを振り返ります。昔の写真も満載で、パトリック・ヴィエラ選手など、ベンゲル政権初期の頃の懐かしい選手の姿も楽しめます。

評価:★★★

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2021.06.13

Small Fry


Small Fry
(104,545語 YL:8.0)

Steve Jobsの娘Lisaの回顧録です。エキセントリックな世界的大富豪の父、精神的に不安定で生活に困窮する母という、対照的な両親の間で育っていくLisaの姿を描きます。最初は疎遠だった父との絆の深まりや、それに伴う母親との関係の変化などの人間模様を描きます。我々が普段ビジネス書などで目にするSteve Jobsとは違う、父親として、家族として描かれるJobsの姿は非常に新鮮です。

評価:★★★

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2021.03.04

Too Much and Never Enough: How My Family Created the World’s Most Dangerous Man


Too Much and Never Enough
(60,000語 YL:8.0)

ドナルド・トランプ元大統領の姪が執筆した、親類の立場から観たトランプ氏の姿。トランプ氏は、力で周囲をねじ伏せることこそが強さであり、過ちを認めることは弱さであると父親から教え込まれ、他人を愛することを知らずに育ったと著者は主張する。そのため、大統領任期中にコロナウイルスで何十万人もの死者が出ても自身の責任とは思わず、株価が上昇したことを自分の手柄のように振る舞うのだという。

この本に書かれていることの真偽を判断することはできないけど、1月6日に米国国会議事堂で起きた事件と、その前後のトランプ氏の言動を考えると、著者が懸念していたことが最悪の形で現実になってしまったように思われる。

評価:★★★

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