President Barack Obama in His Own Words
(15,000語 YL:4.0)
アメリカ合衆国のオバマ大統領のスピーチ抜粋集です。就任スピーチは全文が掲載されています。
スピーチを読んでいると、我々も幾度となくテレビなどで耳にした彼の声が聞こえてくるようです。いろんなスピーチに共通するメッセージとしては「我々が直面している21世紀の問題は、20世紀の問題とは異なる。」「世界中のあらゆる人々が協力して取り組まなければならない。」「アメリカは幾度も困難を乗り越えてきた。強い意思や覚悟があれば、これからも必ず乗り越えていける。」という感じのものです。
彼は、様々な問題を包括的に考えようとしています。例えば、石油エネルギーへの過度の依存を、単なる環境問題(地球温暖化)として捉えるのではなく、セキュリティリスクとしてもとらえています(情勢が不安定な中東の国々へ莫大なお金が米国から流れて、それが回り回ってテロリストの軍資金にもなっている)。経済、貧困、エネルギー、環境、安全保障、保険制度、教育、政治などにおける様々な問題は複雑に絡み合っており、それぞれについて単独で考えていては、おそらく問題は1つも解決しません。それらの問題を包括的に考えて、グローバルな規模で協力して取り組もうと唱えるリーダーはなかなかいないと思います。経済対策では高速道路の無料化を掲げる一方で、環境対策ではCO2排出量の大幅削減を宣言している日本のリーダーが、オバマ大統領のような包括的な視点で問題解決に取り組めるのかどうか注目したいです。
オバマ大統領自身も述べているように、まだ何も成し遂げていないうちに彼はノーベル平和賞を受賞してしまいました。彼の今後の行動や実績が賞に値するものになるかどうかは、もちろん現時点では分かりません。でも、彼の言葉には「信じてみよう」と思わせるパワーがあります。米国の人々が彼を信じて、彼に投票した気持ちが分かるような気がします。
上記リンクからPDFファイルがダウンロードできるようになっているので、興味のある方は一読をお勧めします。
評価:★★★★
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